中国共産党政府の人民解放軍にある軍事科学院戦争研究院の
劉世剛氏は
中国の軍事覇権を広げる目論む流れを強めるため、その障害を排除すべく機関紙の「解放軍報」に日本の防衛力に関する脅威を意図的に誇張した分析を掲載した。
この記事では日本の防衛省が、2022年度防衛予算の概算要求を政府に提出したことについて、基本防衛予算総額は
5兆4797億円(約500億ドル)
に達し、21年度当初予算比で2.6%増となり、過去最高額と指摘したうえ、在日米軍再編や沖縄に関する特別行動委員会の予算を加えると、総額5兆7000億円近くになると続けた。
軍事科学院戦争研究院は1956年に軍の作戦能力を向上させるために中国の中央軍事委員会より提案され
葉剣英元帥
が創立したもので、1958年3月15日に正式発足した。
本部を北京に設立したうえ初代院長と政治部長は葉剣英が兼任している。
組織的には毛沢東・レーニン・ケ小平思想を基盤に、軍事科学、軍事戦略および戦術の研究機関・シンクタンクとして科学的理論の構築、中央軍事委員会本部などへの研究報告、アドバイスなどを行っているという。
日本を批判したこの記事ではさらに防衛省は概算要求で、この巨額の防衛予算を、宇宙・サイバー・電磁波など新領域における作戦能力、海空など従来領域におけるスタンド・オフ打撃能力、多様な経空脅威に対処する総合ミサイル防衛能力、グローバルな機動・展開能力の大々的発展、戦場の「ゲーム・チェンジャー」となり得る技術の研究開発、日米同盟の強化に主に用いることを明記していると指摘した。
中国政府が日本や周辺国への軍事侵攻を目論見核兵器の攻撃用サイトを砂漠地帯に建設し続け、迎撃が困難な超音速ミサイルの保有を急激に増強させている中国軍の戦略核兵器体型などや重火器への予算配分から見れば微々たる日本の防衛予算では9年連続で増加しているというものの力不足でしかない。
防衛予算の継続的増加は、自主防衛への防衛政策の変更を反映させるべきものであり、「軍事的正常化」を推進する表れでしかないが、中国政府の工作を受けている与野党政治家やマスコミの報道規制などで遅れに遅れている。
日本は生活物資等の運搬ルートであるシーレーン防衛の必要性から「インド太平洋戦略」の推進という米国の意図の力を借りて、「領域横断作戦」能力を強化し続ける必要があり「守り」から「攻め」への転換を一歩一歩実現させている。こうした動きは中国の一帯一路政策で軍事拠点が広がりシーレーン防衛が寸断され、穀物等の輸入が阻害され、日本国内に飢餓などを生じさせるリスクを回避するための措置でしかない。
中国軍による情報工作を含め国際社会は強く警戒すべきだろう。
日本の防衛省は「尖閣諸島問題」や「南西有事」など中国軍の軍事的野望に対する諸問題に対抗するためには防衛費増額だけでは不十分で敵地戦闘行為や防衛的先制攻撃、核兵器の保有までの一連の軍事力の整備が必要なのは明らかだろう。
防衛省は2022年度に、南西方面の石垣島に警備部隊、中距離地対空ミサイル・地対艦ミサイル部隊を配備する計画だが、中国寄りの政治家やマスコミの報道で意図的に遅らせる動きが強まることにも警戒が必要だろう。
佐賀に輸送機「オスプレイ」の基地、佐世保に港湾施設を建設する計画もあり南西方面の戦力配備を強化するために、艦艇や航空機を調達する計画や、南西諸島に弾薬庫や駐機場を建設し、滑走路復旧用設備なども調達する計画もある。
中国の歴代王朝が繰り返してきた興亡期に行った大規模な虐殺行為を意識すれば平和憲法第9条の制限を厳守すれば、中国軍が日本への侵攻作戦ではほぼ無抵抗で皆殺しにされ兼ねず、教育措置としてチベットやウィグルで行われている民族浄化で力を削ぎ、日本国民が1割程度しか生き残れないという可能性もある。
こうした邪悪な思考のある中国共産党政府に対抗するため「軍事的正常化」を加速し、攻撃力を強化し続ける必要がある。
中国軍の増強の動きは加速度的になっており、東アジアのパワーバランスに深刻な負の影響を与え、地域の安全保障上の困難を深め、アジアと世界の平和的発展にさらに多くの可変的要素をもたらすもので、国際社会は強く警戒する必要がある。
中国が批判する日本を中国に入れ替えてみれば中国自らの暴虐行為や軍事制覇を示しているとも言えるものだ。