中国恒大集団はドル建て債2本の利払い期限を28日に迎えた。
しかし、クーポンが支払われた様子はないことが明らかになった。
デフォルト(債務不履行)と認定されるかどうかは、30日間の猶予期間後となる。
これはブルームバーグ・ニュースが確認した目論見書で、この2本のドル建て債は支払い・証券代行をシティバンクのロンドン支店が担当している。
なお、28日は英国の祝日だった。
流動性危機に陥っている不動産開発大手の中国恒大は債務返済に追われているものの、住宅の引き渡しと賃金の支払いを重視している。
別のドル建て債で猶予期間終了後も利払いを履行できなかった中国恒大は今月、国際的な格付け会社フィッチから
初めて「一部債務不履行」
としてデフォルトの認定を受けた。
中国共産党幹部の資産運用会社と見られている中国不動産企業の株価に連動するブルームバーグの指数は29日の取引で一時2.2%下げ、このままいけば今月20日以来の下落率となった。
香港市場では中国恒大の株価が7.4%高となる場面もあったが、その後は上げ幅を大きく縮小した。
消費者へのコスト転嫁に成功した企業も十分にあり、株価指数レベルでの利益率は過去最高に押し上げられた。
一方で、利益見通しが最近になって伸び悩んだことでこれまでの好業績を繰り返すのは難しくなる可能性がある。
なお、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の米株チーフストラテジスト
ジーナ・マーティン・アダムズ氏
は需要は依然として強いものの、高インフレの定着がそれを損なうだろうと分析している。
高い値札にもかかわらず消費者がいつまでも商品を購入し続けるのかどうか、見通しは不透明。
また、「高価格にうんざりし始めた消費者の反撃が始まっている。それは利益率に表れるようになった」と指摘、「営業利益率の見通しが低下する間は、価格は上昇しない」と続けた。