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2024年07月18日

岩岡新次郎 経営者の人柄を買う相場師

岩岡新次郎
   明治24年東京生まれ
 新次郎は明治40年東京府立第一中学2年を修業した。
 実父が経営する東株仲買人岩岡株式店に雇用され、有価証券業に従事した。
 大正12年独立して東株実物取引員の免許を取って開業した。
 同13年一般取引員免許を取り、実物取引員を廃業した。
 昭和6年父が死去したため、新次郎を襲名して東株仲買人岩岡株式店も引き継いだ。

 東京府立一中(日比谷高校)から株式仲買に転じる例はあまりない時代だが、岩岡新次郎は同中学の2年を修了したところで、先代岩岡新次郎が経営する岩岡株式店に入っている。
 これは明治40年のことであり、父親の命令によると考えられる。
 先代は文久2年(1862年)生まれで、早くから兜町で株の現物商いをやっていた。
 明治44年に東株仲買人の権利を取得しているが、当時の地場評の記録では「年額480円余の直接国税を納め、まずは二流より下らぬ店」とある。
 つまり、超一流ではないが、二流と呼べるものでもないというところで商売を行っている仲買と見られる。
 息子の2代目新次郎は大正12年、32歳の時独立して東株実物取引員の免許を取った。
 次いで同短期取引員の免許を取っている。
 一般取引員を目標に一歩、一歩着実に階段を登っていく姿勢からは手堅いところでもある。

 2代目新次郎の言葉として残るのは、「何によらず自制ということが大切ですが、特に投機界に臨んでは、最もこれを守らねばならず、自制のない思惑は決して大成するものではないと、私は思っている。私などは仲買業を父祖の業と心得てやっていますから、あんまり渦中に投じませんが、相場に出動しようとするならば、第一に自己の資力の範囲内でやることで、成り金を夢に見て一度に大きな欲を起こさないことが肝要です」とある。

 まず自制心を説くところは堅実主義を標ぼうする岩岡らしい。また、岩岡の談話の中にある「渦中には投じません」
 「それはなぜかといいますと、先物の方ではとかく速成にいきたがるので自然、やりそこなうこともありますが、実物は先物のように忙しくなく、従って悠々と合理的な思惑ができるので、早まったこともせず、十分に見込みを達せられます。とにかく相場は一種の道楽としてやるのはよいが、おのれの財産全部をかけてやるべきものではなく、いわんや1万円のものを10万円に活動させようなどとはもってのほかで、そんな危い綱渡りは決して長続きするものではありません。かの石井借金王をご覧なさい。よい教訓じゃありませんか」
とあるのは、みずから相場の渦巻きには身を投ずることはしないで手数料主義のブローカー業務に徹している堅実主義を全面に出している。
 岩岡は実物取引から入った人だけに先物よりも実物の方が安全率が高いと現物取引を勧めていた。

 また、岩岡がいい教訓という
   石井借金王
とは、大物相場師、石井定七のことで、巨額の借金をしてコメを買い占める一方、鐘紡株を買い占め、「横堀将軍」として満天下にその名をとどろかすが、1925年の鐘紡新株をめぐる仕手戦で敗北し、大阪株式取引所理事長の島徳蔵を巻き込んで挽回を図ったが力及ばず、石井は破産宣告を受けた。
 その後10数年かけて多額の負債を返済、完済して間もなく交通事故死している。

 「いかに資本は少なくても、またその時の配当は低くても、その会社の経営者の人柄の立派な株であれば買って間違いありません。これに反して、暗中で盛んに仕事するような重役のいる会社の株は、まず避けた方がよいと思います。いずれにしても注意の前には損失はないものです。…昨今は、昔と違ってすべての解決は人情でいかない恐ろしい世の中となりましたから、相場をするにも、何をするにもよほど気を付けないといけません」

 岩岡の営業は独特で、毎日広告郵便を各方面の見込み顧客に送り、数十人の店員が
   文書の整理と電話の応接
に追われ、多忙を極めた。
 また、大正8年(1919年)発行の「株式総覧」に「通信販売の範を示している」との記述がある。

    
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NY地区連銀総裁、インフレ低下をさらに多くのデータで確認したい

 ウォールストリート・ジャーナル(WSJ 米紙)が17日にインタビューを公表し、ニューヨーク地区連銀の
   ウィリアムズ総裁
は、過去数カ月のインフレデータは心強い内容だが
   利下げ決定に必要な確信
を得るために向こう数カ月で
   より多くの証拠
を確認したいとの認識を示したことを明らかにした。

 ウィリアムズ氏は7月から9月の間に米金融当局には「多くの」ことが分かるだろうと語った。
 9月は米国で利下げが行われると広く見込まれている。

 この発言は、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長や他の当局者がここ数日に表明した見解と合わせ、利下げに近づいてはいるが、まだその用意はあまりないことを示唆している。

 また、ウィリアムズ氏は直近3カ月のデータは「われわれが求めているディスインフレトレンドに近づいている」ことを示していると指摘したうえ、「これは前向きな兆しだ。インフレが目標の2%に持続的に向かっているとの確信を深めるため、さらに多くのデータを確認したい」と続けた。

 米連邦準備制度当局者は
   利下げに近づいていること
を示唆しつつ、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を含む大半は利下げ時期について明言を避けている。
 次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は今月30−31日に開かれるが、利下げ開始は9月以降になると市場は見込む。

 ウィリアムズ氏は「今の政策スタンスはうまくいっているという感触がある。このようなデータがもっと出てくれば、(インフレが持続的に2%へ向かっていると)私自身もっと確信が持てるようになると思う」と語った。

 同氏は6月、インフレが持続的に2%の目標に向けて低下することに「より大きな確信」を得た後で、利下げを行うと述べていた。
 6月の消費者物価主要指標は伸びが2021年以降の最小にとどまり、物価上昇圧力の緩和が示された。

   
posted by まねきねこ at 07:03 | 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | onemile stone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

英中銀の8月利下げ可能性後退で1年ぶりにポンドが1.30ドルに上昇

 外国為替市場では17日、ポンドが1年ぶりに1.30ドル台に上昇した。
 英国のインフレデータで基調的物価の上昇圧力が根強いことが明らかになり、イングランド銀行(英中央銀行)が来月も金利を据え置くとの見方をトレーダーが強めた。

 ポンドは一時0.3%高の1.3017ドルを付け、年初来の上げ幅を拡大させている。
 市場が織り込む英中銀の来月利下げ確率は約30%と、前日の50%弱から低下した。
 英国債も下落し、2年債利回りは4%を再び超えた。

 英政府統計局(ONS)が17日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2%上昇と、前月と同じペースだった。
 しかし、サービスのインフレは引き続き英中銀が直近の予測で見込んだ水準を上回った。
 英国金融当局は基調的なトレンドを測る指標として、総合インフレよりもサービスのインフレに注目している。

  
posted by まねきねこ at 06:01 | 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | 市場散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トランプ氏をかつてのライバルが称賛、共和党全国大会で団結演出

 ヘイリー元国連大使はかつて、トランプ前米大統領を「完全に常軌を逸している」「落ちぶれている」などと評した。
 また、フロリダ州のデサンティス知事は、前大統領は自分に「従属する」なら最も「価値のない共和党員」でも受け入れるだろうと述べていた。

 そして16日、彼らは、トランプ氏こそが次期大統領に最もふさわしい人物だと主張を大きく変えている。

 ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催されている共和党全国大会では、大統領選の党候補指名をトランプ氏と争っていたライバルたちが次々と登壇し、かつて
   「あざけりの対象とした人物」
を支持して見せた。
 トランプ氏が堅く掌握している党内で、自分たちの将来を確保するために必要な、忠誠心を公に示すパフォーマンスだった。

 この夜、トランプ氏は、バイデン大統領を打ち負かす挑戦をする上で、最も忠実な支持者層以外にも支持を広げるチャンスを得たことになる。
 2016年大統領選で候補指名を争ったルビオ上院議員とクルーズ上院議員とともに、今回の指名争いの対抗馬も出席したことは、共和党がトランプ氏の完全な支配下にあることを示す明白な証しだった。

 トランプ氏はここ数カ月、共和党全国委員会の共同委員長に義理の娘を据えるなど、その影響力を誇示してきた。

 また、13日のトランプ氏暗殺未遂事件を受けての結束の呼びかけは、共和党へのものであり、国全体に対するものではないことも明確になった。
 
 ヘイリー氏は「私たちはより大きな存在であるときにより良い」と語り、より多くの有権者を共和党側に引き入れるよう呼びかけた。
 また、他の登壇者たちは、バイデン氏が不法移民や医療用麻薬「フェンタニル」といった問題を制御できていないと非難した。

 ヘイリー氏は当初、大会で演説する予定ではなかった。
 しかし、同氏とトランプ氏の両チームがこの数日で調整した結果、演説を引き受けることに同意したものだ。
 拍手とブーイングの中、ステージに上がったヘイリー氏は、トランプ氏が「団結」の名のもとに彼女を演説に招待したと伝えた。

 ヘイリー氏は「私たちの国のため、私たちはトランプ氏を支持しなければならない」と述べ、トランプ氏への支持を力強く表明した。
 トランプ氏は副大統領候補のバンス上院議員の隣の席から立ち上がってみせた。

 ヘイリー氏が自分とトランプ氏の相違点を指摘すると、トランプ氏は、「意見が合わないことよりも意見が一致することの方が多い。米国を強く保つことについては意見が一致している」と応じた。

 また、ロシアのプーチン大統領がウクライナを攻撃しなかったのは、当時大統領だったトランプ氏が強硬な姿勢を取ったからだとヘイリーが指摘すると、トランプ氏は「true(真実)」と口走ったようにも徴収には見えただろう。
 予備選挙中、ヘイリー氏はトランプ氏とウクライナ問題で対立し、米国によるウクライナ政府への支援継続を支持していた。

 トランプ前政権下で国連大使を務めたヘイリー氏は、演説はトランプ前大統領を支持することに今も懐疑的な有権者を対象としたものだと述べた。

 ヘイリー氏は「私のメッセージは単純だ。トランプ氏に100%賛同する必要はないが、彼に投票する必要がある」と訴えた。

 デサンティス氏はヘイリー氏の後で登壇し、有権者に「第45代アメリカ合衆国大統領、第47代大統領に」投票するよう呼びかけた。
 また、デサンティス氏は党大会でアイオワ州の共和党員と会談した。2028年に実施される第48代大統領選への出馬を決めた場合、候補指名争いで早い時期に党員集会が行われる同州を味方につけるためだ。

 登壇者たちは、この日のテーマである「米国を再び安全に」というテーマに次々と触れた。
 バイデン氏の移民政策を繰り返し批判し、大統領を終末論的な言葉で表現した。国境を越えてやって来る人身売買業者、麻薬組織、テロリストの問題がバイデン氏によるものだと糾弾する動画も流された。

 クルーズ氏は「私たちは南の国境からの侵略に直面している。比喩的な意味ではなく、文字通りの侵略だ」と聴衆に呼びかけた。

 移民の急増は、バイデン政権にとって最も厄介な課題の一つとなっている。
 有権者にとって決定的な問題であると世論調査が示すこの危機に、共和党は飛びついた。
 トランプ氏の呼びかけを受け、国境警備の強化を目的とした超党派の上院妥協案を拒否し、バイデン大統領の政治的勝利を阻んだ。

 バイデン氏はその後、亡命を求める移民の流入を阻止するための別の制限を導入し、国境取り締まりを強化するための措置に踏み切った。

 トランプ氏は当選した場合、大量国外追放を含む、米国の法律の限界を試すような広範な移民改革を実施すると明言している。
 選挙キャンペーンの中で、トランプ氏は移民によるものとされる凶悪犯罪を取り上げ、「バイデン移民犯罪」と呼ぶなど扇動政治による独裁政治が復活しそうな流れだ。
 
    
posted by まねきねこ at 06:00 | 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | 市場散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新型コロナウイルス感染者が激増

 米国疾病対策センター(CDC)によると、6月最終週の新型コロナウイルスによる入院患者数は10万人あたり約2人だった。
 入院患者数は徐々に増加しているが、2023年12月末の10万人あたり7.7人だった冬場のピークには遠く及ばない。

 最近優勢となっているオミクロン株のマイルドな派生型は4月に広がり始めた。
 CDCによると、現在では全国の感染例の60%以上を占めている。
 新型コロナウイルスの流行開始以来、数多くの変異体が確認されているが、21年に登場したオミクロンとその派生型が支配的になっている。

 こうしたウイルスの軽症化は、ワクチン接種を勧めにくくするため、ファイザーなどのワクチンメーカーにとっては良い兆しではない。
 昨年9月に発売された新型ワクチンは、成人の約4分の1が接種した。

 解決策の一つとして、米国人の約半数が接種している
   インフルエンザワクチン
と、新型コロナワクチンを組み合わせる方法が考えられると主張している。
 また、需要を後押しするため、従来は9月導入する新ワクチンを、前倒しして9月以前にするという戦略も浮上していると続けた。

 米国では5月1日で、病院に義務付けられていたデータの報告が終了した。
 このため、新型コロナウイルスの分析はより困難になっている。
 そのため、感染状況監視のため、下水分析を行う都市や州が増えている。

 CDCによると、特に米国西部で、約2カ月前から感染が急増していることが、こうしたデータから示されている。
 急増した感染者の中には、米厚生省のベセラ長官も含まれている。
 同省によると、ベセラ氏は16日に陽性反応を示した。
  
 
ひとこと
 ワクチン接種者と非接種者の感染率を示してもらいたいものだ。
 ワクチン接種に伴い、体質変化で抵抗力が低下し、感染症に罹患しやすくなっていると言った見方もある。
 また、欧米と比較し日本の医療において金儲けとも言える抗生物質の多用による認知症の増加との因果関係も指摘されており、薬物利用による健康被害の増加への対応が遅れる原因が政治家の金儲けの源泉では話にもならない。

  
posted by まねきねこ at 05:59 | 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | onemile stone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ECBのインフレ退治が最終1マイル?鍵となる生産性が利下げ左右する公算

 欧州中央銀行(ECB)はインフレ率2%の目標の達成には
   生産性の向上
が鍵だとしているが、想定通りに生産性が高まらなければ
   持続的な利下げ
が実現しない可能性がある。

 消費者物価上昇率が、ECBの想定通りに来年後半に2%ま下がるためには
   賃金上昇鈍化
   企業の利益率縮小
と同時に生産性が向上しなければならない。

 生産性の高い労働力が増えれば、単位生産量あたりのコストが下がることからインフレ率に低下圧力がかかると共に、ユーロ圏経済が
   停滞を脱するのに役立つ
ことが期待されている。
 しかし、生産性改善はなかなか実現しない。
 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)やロシアのウクライナ侵攻の衝撃が長く影を落とす可能性がある。

 十分な改善がない場合、ECBの政策スタンスを支える予測が揺らぐ恐れがある。
 アナリストは現在、ECBが今週の会合で利下げを見送った後、秋に利下げを再開するとみている。
 
 一部のアナリストは、2025年と26年に生産性が約1%上昇するとのECBの見通しは、最新の予測で下方修正された後でも
   まだバラ色に過ぎる
と指摘しており、その予測はパンデミック前20年間の平均の0.6%を上回っているためだ。

 生産性の指標は、昨年は約1%、今年1−3月(第1四半期)は0.6%低下した。
 一般的な説明は、労働力不足が、成長低迷にもかかわらず
   多くの企業に労働者を雇用し続けること
を促したというものだ。

 ECBは18日に金利を決定する予定だが、エコノミストの多くが、中銀預金金利が3.75%に据え置かれると予想している。
 次回会合は9月で、新たな経済見通しが得られるに伴い再び利下げが実施される可能性が高いとみられている。
 先月の金融政策決定会合の議事要旨によれば、当局者はリスクを理解しており「賃金上昇によるインフレ圧力を企業が利益率でどの程度吸収するのか、また生産性が予想通りに反転上昇するのかについて、さらなる証拠が必要だ」としている。
 
 
ひとこと
 労働生産性を比較するに米ドルベースで比較することが多い。
 当然為替に数値が左右されるため、1ドル100円と1ドル150円で比べれば、付加価値が変わらなければ生産性は100円から150円に下がれば、労働生産性は5割低下したことになる。労働生産性が30%とすれば15%しかないということ。
 視点を変えれば、労働生産性を増やすには付加価値のある製品を作り、為替を円高にする事が必要であり、現在の日銀の金融政策は逆のことを行い、日本企業や日本の労働者の生産性が低いと主張しているということにほかならない。
 安倍政権でポンコツF35などを防衛目的で購入する愚かな政治が行われたが、これも、欧州からユーロファイターなど競合戦闘機を競わせて購入すれば、整備はより高度に達成できたが、長期政権維持目的でトランプら米国軍産複合体制への朝貢政治が繰り返されている。
 
   
posted by まねきねこ at 05:26 | 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | 市場散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする