国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務総長は4日、ボストンで開催の年次総会で「航空会社にとって新型コロナ危機は甚大だ」と指摘、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による航空業界の損失額が計2010億ドル(約22兆円)に達するとの見通しを示した。
このIATAの数字を基にすると、2010億ドルという額は同業界の9年分の利益に相当する。
国内線と地域路線は回復し始めているものの、多くの航空会社にとって極めて重要な国際線のビジネス利用はまだほとんど回復が見られない。
コロナ対策の渡航規制などにより、企業の出張利用や長距離路線の需要が2022年に入っても抑制されることが背景にある。
また、「国内線市場の底堅さから分かるように、旅行への意欲は失われていない。しかし各種規制や不確実性、複雑さを理由に国外旅行は手控えられている」と続けた。
IATAは今年の航空業界の損失額見通しを約520億ドルとし、4月時点の予想480億ドルから引き上げた。
昨年の損失額も1260億ドルから約1380億ドルに修正した。