ドイツのニュースサイト『ローカル』(ドイツ版)は、中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)と中道左派の社会民主党(SPD)によるベルリン市の連立政権が、環境に優しい交通手段として
磁気浮上式高速鉄道
の試験走行路の建設を承認したと報じた。
計画では、従来の鉄道とは異なり、無人運転の浮上式リニアとすることで、強力な磁石を使って列車を浮上させ、摩擦を減らして速度を上げ、地下鉄よりも速く建設でき、安価につく見込みとしている
まず、5〜7キロの試験走行区間を建設し、将来的に本線の一部に組み込む予定で乗客と物資の両方の輸送を想定している。
ベルリン市議会のCDUベルリン代表のダーク・シュテットナー氏は、地下鉄などに比べて建設費が比較的安価につくだけでなく、完成もはるかに早いと利点をアピールしている。
最高速度については発表されていないが、同記事は参考として、ドイツの
トランスラピッド技術
を用いた上海リニアが時速300キロで運行していると紹介している。
ベルリン市は2045年までに気候中立(温室効果ガスの実質ゼロ達成)を目指しており、今回の計画には気候基金から8000万ユーロ(約131億円)を投じる。
ただ、ユーロ・ニュースによると、浮上式リニアの具体的な完成時期は未定。
ベルリン工科大学海上・陸上交通システム研究所の
マルクス・ヘヒト教授
は現地紙に対し、ベルリンの交通網にはほかに改善すべき点が多いことから、新たな計画には「非常に驚いている」と語った。
CDUは今年2月以降、自転車専用レーンの廃止などを打ち出しているが、広く国民の理解を得るに至っていない。
ユーロ・ニュースによると、過去にもベルリンでは試験期間も含めて1984年から1991年にかけ
磁気浮上式の「Mバーン」
が運行され、1.6キロの路線に3つの駅を設けて運行したのち、ベルリンの壁の崩壊後に廃止されている。
また、1990年代半ばには、ベルリンとハンブルクを結ぶトランスピッド線の計画もあったが、費用面の理由により2000年に棚上げされた。
CDUベルリンはその後、2020年になってこの計画を再提案し、今回の路線とは別にベルリン空港と住宅地域を結ぶ浮上式リニアの建設を検討している。
さらに、ハンブルクでも、浮上式リニア線の建設が検討されている。


