カール・アイカーン(Carl Icahn)
1936年2月16日生まれ
米国の投資家で持株会社アイカーン・エンタープライズの創業者。
東欧から移民したユダヤ教を信仰するユダヤ系カントル(朗詠者 先唱者)の父と、学校教師の母のもとにニューヨーク市クイーンズ区に生まれた。
ニューヨークのファーロックアウェイ高校を経てプリンストン大学で哲学を専攻して卒業している。
その後、ニューヨーク大学で医学を専攻するも、中退した。
1961年に25歳で金融投資会社
ドレフュス商会
で職を得て働きはじめた。
ドレフュス商会は1994年にメロン財閥の金融持株会社メロン・フィナンシャルと合併。
1968年には、自身のヘッジファンド、のちのアイカーン・エンタープライズとなる
Icahn & Co.
を設立した。
2015年9月末時点でアイカーンは
投資総額約1兆7000億円
のファンドの運営者となり、企業の経営権を取得する「乗っ取屋」として名を馳せていた。
1985年にトランス・ワールド航空を買収した。
このころ、アイヴァン・ボウスキーやマイケル・ミルケンと並び米国の複合企業
ガルフ・アンド・ウェスタン
などの買収をめぐりウォール街市場でのインサイダー取引を疑われていた。
2000年以降、アイカーン・エンタープライズは年平均22%の運用成績を収めている。
2004年、マイラン株を買収して議決権を増やし、マイラン名義で
を買収した。
2006年2月には、ラザードCEO と作成した343ページに及ぶ企画書に
タイムワーナー買収
を盛り込んだ。
また、2010年6月までブロックバスター (企業) の重役であった。
同年7月にメンター・グラフィックスの14%を買収し、2011年2月に買収提案まで行った。
2012年10月31日、米国のオーバー・ザ・トップ・コンテンツ・プラットフォーム
の10%を買収した。
2015年11月23日、ゼロックス株の持分7.13%を公開した。
近年は少数持分を取得した上で経営改革を迫る手法をとるようになった。
2011年3月7日、世界情勢を懸念して自身のファンドから17億6000万ドルを投資家へ返還している。
その4日後には日本で
東日本大震災
が起こり、野性的な勘が優れていると金融市場では言われた。
2011年8月、S&P 500を空売り後の株価下落、そしてアイカーンが保有する銘柄の一つ
がGoogleによって好条件で買収されたことも重なり、1週間で5億ドルという記録的な収益をあげている。
2013年8月13日、自身のTwitterアカウントにて「現在、Appleの株式を大量に保有しているが、アップルは過小評価されている。ティム・クックと話し、自社株買いをするべきだと伝えた。」とツイートした。
これに市場が反応し、株価が5%(時価総額2兆円以上)上昇し、世間を騒がせた。
2015年8月8日、自身が熱心に支援して親交がある共和党の
ドナルド・トランプ米国大統領候補
から、政権誕生の暁にはアメリカ合衆国財務長官に指名したいと提示された。
これに対して、「早起きができない」と辞退した後に受諾を表明した。
しかし、結局財務長官にはアイカーンの知人
スティーヴン・マヌーチン
の起用が決まり、アイカーンは
規制改革担当の顧問
に選ばれることとなった。
なお、アイカーンはトランプ・エンターテイメント・リゾーツの所有者でもある。