VIDIA Corporation(エヌビディア・コーポレーション)
米国カリフォルニア州サンタクララにある半導体メーカー
特にGPUの設計に特化している。
一般向けにはパーソナルコンピュータ(PC)に搭載される
GeForceシリーズ
やワークステーションに搭載される
Quadroシリーズ 等
のGPUが有名で実際2000年代前半まではゲーミング向けやクリエイティブ業務向けのGPU開発を事実上の専業としていた。
CUDAの発表以降、同社のコアビジネスおよび開発リソースは、GPUによる汎用計算(GPGPU)専用設計の
Teslaシリーズ
や、ARMプロセッサと統合されたSoCであるTegraなどに移行した。
ロゴはnVIDIAに見えるが表記は全て大文字のNVIDIAが正しい。
LSIロジックを退社した
ジェンスン・フアン(社長兼CEO)
が、1993年にクリス・マラコウスキー(Chris Malachowsky: 副社長)らと共にNVIDIAを設立した。
最初のグラフィックスチップ製品である「NV1」は、ダイアモンド・マルチメディア社より
3Dグラフィックスボード「EDGE 3D」
に搭載された。
この製品は曲面描画を採用した意欲的製品ではあった。
1997年、SGIに所属していた技術者が続々と参加し、低価格で非常にパワフルなグラフィックスチップ「RIVA 128」[注釈 1]を発表し、業界大手の仲間入りを果たし、1998年に後継製品である「RIVA TNT」が発売されて一躍PCグラフィックスチップ界の技術的筆頭メーカーとなった。
CPUメーカー第2位のAMDは、チップセットへのGPU統合化、将来的にはCPUとの統合を模索した。
GPU技術を持たないAMDは、GPUメーカー第2位のATIの買収を行なった。
これによりATIを擁するAMDプラットフォームからNVIDIAは徐々に締め出された。
PC用CPUメーカー第1位のIntelは自前のGPU(HD Graphicsシリーズ)をCPUに内蔵するようになったため、Intel向けGPU内蔵チップセットを開発する意味をVIDIAは失った。
第3位のVIAも買収したS3を持っており、PC向けオンボードGPU市場が事実上消滅してしまう可能性が取り沙汰され、2010年、NVIDIAはチップセット事業からの撤退を決断した。
VIDIA は抜本的な経営方針の見直しを迫られ、ARM系CPUを自社製GPUに統合したTegraシリーズ、同じくデータセンターやサーバー用として2008年頃から注目されていたTeslaシリーズ、そしてゲーム用GPUのGeForceシリーズの3つに注力して一定の成功を収めた。
2016年頃に起こったディープラーニングブームの波に乗って一気に成長した。
2019年までに、NVIDIAは人工知能、特に自動運転の分野では圧倒的な地位を占めるようになった。
世界中で過熱する開発競争の中で超並列計算機に設備投資が集中し、GPUの需要が高まりすぎたため、1人あたりの購入枚数に制限が掛けられるまでに至っている。
VIDIA は企画設計と販売を行い、実際の製造はファウンダリー(ファブ)に外部委託するファブレスメーカー。
過去にはカノープスなどが独自設計のボードを製作していたが、現在はNVIDIAによる
標準(リファレンス)デザイン
のボードを用いることがチップ供給の条件となっている。
過去にRIVA TNT2や同TNT2M64といったチップを多数のベンダーに提供したため、各社が同じチップを搭載したボードで激しい価格競争を行なった結果、製造原価を抑えた粗悪なボードデザインや部品を使用した製品が出回った教訓が背景にある。
ライバルのATI Technologies(2006年にAMDが買収)に対し長年リードを築いていた。
同社がコンシューマ向けにRadeon、プロ向けにFireProブランドを創設すると同時に方針転換を行い、強力な製品を開発するようになった。それによりNVIDIAと以前以上に熾烈な性能争いを繰り広げ、2012年現在では使用状況次第で得意不得意が現われる事となり、一概にどちらが優れていると評価できないほど実力は拮抗するようになった。
2021年現在ではCPU側の開発にも力を入れているAMDと比較した場合、GPU専業の分トップ性能では上回る製品がある。