国際決済銀行(Bank for International Settlements、略称: BIS)
1930年に設立された、中央銀行相互の決済を行う組織のこと。
中央銀行の中央銀行とも呼ばれ
・通貨価値
・金融システム
の安定を目的として中央銀行の政策と国際協力を支援している。
通常業務として各国中銀の
外貨準備
を運用する機関投資家でもある。
2017年4月に同行のグローバル金融システム委員会は「レポ市場の機能」という報告書を公表した。
各中銀の量的金融緩和政策が世界各国の市場から
手堅い債券を買い占め
た影響が、一般機関投資家のレポ市場が担保の供給を受けられず機能不全に陥っているという見解を示した。
もともとは、ドイツの第一次世界大戦にかかる
賠償金支払い
の行き詰まりを打開するためにヤング案(1930年)が提案され、この案では「国際決済銀行に関する条約」と「国際決済銀行定款」が採択され、これらいわゆるハーグ条約により賠償金の支払いを円滑化させるための機関としてBIS が設立された。
日本は、ウォール街大暴落 (1929年)のさなかでクレジットを設定し、1930年のBIS創設時には株主となっていた。
世界恐慌をきっかけとするハイパーインフレに襲われたドイツではナチス党が権力を掌握により、賠償金支払いを拒否させたため、BIS は賠償金の取扱機関として活動できなくなり、かわりに中央銀行間の協力を推進するようになった。
第二次世界大戦の拡大によりBIS は金塊をニューヨークへ現送するなどして資産をアメリカへ避難させた。
その資産を米財務省が「敵性資産」として差し押さえた。
1940年6月25日ニューヨーク地区連邦準備銀行が発した
暗号電報
でこの凍結をBIS が知るところとなった。
米国政府はそもそも、ハーグ条約に調印しておらず、BIS 株の引受も連邦準備制度ではなく
JPモルガン など
の民間銀行団が行うなど不規則な対応をしていた。
これはヘンリー・スティムソンが1929年にFRB 職員にBIS メンバーとなることを声明で禁じたことが背景にある。
戦後、ドイツのライヒスバンクよりBIS に供託された略奪金 3.74トンは、「某中央銀行」が先行してBIS に返還していた額を控除の上、3.366トンがイングランド銀行へ預託される措置が取られた。
戦勝国として連合国、とりわけアメリカがBIS に被害国へ金塊の返還を強く要求したがBIS は金の大部分はアメリカに現送してあるので、返還に応ずるためには、BIS に対する敵性資産としての凍結を解除してもらわなければならない」と応答した。
1947年10月に米政府代表の
アンドリュー・オーヴァビー(Andrew Overby)
が、在米スイス銀行資産の凍結解除を調整しにスイスへやってくるとBIS は機会に捉えた。
BIS の当時に発行済み株式におき敵性資産にあたる日独のシェアは22.8%であった。
ここへ預け入れ最低限度預金を加えると33.8%に達した。
また、ヤング案によるBIS の対独資産は2億9116万スイス金フランであった。
これは1945年度のBIS 総資産額の64.5%にのぼった。
1948年2月、ジョン・スナイダーが上院外交委員長に向けて、欧州側の民間資本も
凍結解除
して復興に振り向けさせるべきと書き送っている。
BIS が復活するとマーシャル・プランがドイツの支払い能力を徐々に立て直した。
1950年10月と11月イングランド銀行が
日本保有のBIS 株式の没収
を提案した。
結果として日本は1951年のサンフランシスコ講和条約によって株式を放棄した。
その後、国際金融界への復帰を粘り強く働きかけた関係者の努力の結果、1964年以降、BISで開催される中央銀行の会合への定期的な参加が認められ、1970年には増資により日本銀行が株主として復帰した。
なお、この年には英国連邦の一員であるカナダも加盟している。
この増資目的はグローバル金融システム委員会の設置と支払決済事業の開発である。
1961年11月に金プールを運営しはじめた。BIS は1932年11月以来ロンドンやベルンといったヨーロッパの金市場を管理していた。これをベースとして1961年ヤコブソンの構想どおり、ポンド・スターリングを中心とする決済機構ができた。
運営の実態は、一時に英国のロ
金の二重価格制
がしかれた事実に見え、ブレトンウッズ体制とは一定の距離を置いていた。
ポンド危機では大恐慌のときのように、中央銀行はBIS への預金を引き出して金塊に換え、
BIS 名義の使途指図金
として別の機関へ預託した。
1975年7月8日にBIS は定款を改正しており、現行のものとなった。
BISは、世界各国の中央銀行が出資する法人組織であり、2011年現在58か国の中央銀行が株主となっている。
最高意思決定機関は株主中央銀行の代表が出席する総会(General Meeting)で、組織規定の改正、決算の承認などの権限を有する。年1回、6月末から7月初に開催されている。また、臨時総会の開催も可能となっている。
BISの組織としての運営方針の決定などは理事会が行っている。
この理事会は、2011年現在議長と19名の理事によって構成され、少なくとも年6回開催される。


