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2024年05月24日

「トランプ終身大統領」への不安、浮動層にじわり浸透しており、次期大統領選挙に影響が広がっている

 11月の米大統領選が近づくにつれ、トランプ前大統領が返り咲きを果たした場合、2期目を終えても退任を拒否するとの前例のない懸念が浮動層の間で浮上してきた。

 デービッド・バインダー・リサーチのバイスプレジデント
   セイジ・カーペンター氏
は4月上旬、2020年の選挙でバイデン大統領に投票したものの幻滅し、別の候補者に票を投じることを検討している有権者を対象に行った
   フォーカスグループ調査
で、こうした懸念が浮動層の間で浮上してきたことに気づいたという。
 激戦州のラテン系米国人の男性やアジア・太平洋諸島系米国人の女性と話していると、「真っ先にトランプ氏が権力を手放さないとしたらどうなるかとの議論が始まった」と続けた。

 カーペンター氏は民主党向けに10年間、フォーカスグループ調査を行ってきた。
 しかし、過去の選挙戦でこのような懸念を耳にしたことはなかったが、それでも「懸念は現実のものだ」と感じているという。

 共和党のストラテジストも同様の経験しているようだ。
 
 ロングウェル・パートナーズの最高経営責任者(CEO)で、保守系ウェブサイト「ブルワーク」の発行人 
   サラ・ロングウェル氏
は「われわれのフォーカスグループにも現れている。つい先日もあった」と述べている。

 ロングウェル氏が提供した
   激戦州の浮動層
を対象とする
   フォーカスグループ調査
の動画では、トランプ氏が11月に勝利した場合、大統領の任期を2期と定めた合衆国憲法修正第22条を順守せず、退任を拒むと懸念するかと司会者が質問している。
 
 これに対し、参加者8人中7人が手を挙げた。
 この動画でペンシルベニア州のある男性は、トランプ氏がさらに踏み込んで王朝を築こうとしているのではないかとの懸念を表明した。
 また、「トランプ氏が共和党全国委員会(RNC)を手中に収めた今、彼ならやりかねない。次はドン・ジュニア氏が継いで2期。そしてバロン氏が2期務める。そうなれば、偽の君主制が敷かれることになる」と指摘した。

 こうした見方は民主主義国家の米国では信じがたいと思われるが、バイデン氏の高齢不安や中東情勢の混乱、インフレ高止まりを巡る大きな懸念にもかかわらず、トランプ氏が大統領任期を2期までと定める憲法の規定を覆す、あるいは単に無視するといったリスクが懸念され、浮動層の一部をバイデン氏支持へと傾かせる流れが起きている。
 
 そのため民主・共和両党の政治ストラテジストは、とりわけ勝敗を左右しそうな浮動層の間で、こうしたセンチメントがどの程度広がっているかを見極めようとしている。

 トランプ氏自身の挑発的な発言や行動が、終身大統領に対する有権者の危機感を駆り立てているもようだ。
 その顕著な例が、トランプ氏の後押しを受けて支持者らが
   大統領選の結果認定を妨害
しようとした21年1月6日の
   米議会襲撃事件
であり、トランプ氏はその後、22年のソーシャルメディアへの投稿で、20年の大統領選で不正が行われたとの虚偽の主張を巡って、憲法の一部を「抹殺」せよと呼びかけたことが強く意識されている。

 また、トランプ氏が
   大統領権限に関する制限撤廃
をちらつかせていることは、支持者を興奮させるが、一方で、かつてトランプ氏を支持した人を含め、他の有権者にとっては憂慮すべきものとなっている。
  
 ストラテジストや世論調査担当者によれば、浮動層の多くはトランプ氏の言葉を
   悪ふざけや皮肉
とは受け止めておらず、権力の座に居座る可能性についても冗談だとは考えていない。
 
 民主党系調査会社ナビゲーター・リサーチの世論調査担当者
   ブライアン・ベネット氏
は民主主義に関するトランプ氏の実績について尋ねた調査では、共和党支持者の間ですら、トランプ政権2期目がどのようなものになるのか、全般的に懸念が強いと指摘する。
 
 同様の傾向は世論調査でも明らかとなっており、最近のキニピアック大学の世論調査では、米国が直面する最も重大な問題として、無党派層の21%、共和党支持者の8%が「米国の民主主義を守ること」だと回答した。

 トランプ氏が民主主義を弱体化させかねない前代未聞のことをやりかねないとの懸念は、熱狂なき「バイデン・トランプ再対決」の構図にとって新たな変数となっている。
 
 有権者との対話をなりわいとしている政治専門家からは
   トランプ氏の動機や意図
に対する人々の見方が、他の政治家と比較して
   根本的に変化していること
に気づいたとの声が上がっている。

 カーペンター氏は浮動層との対話から、こうした有権者のシフトは、米議会占拠事件やトランプ氏の扇動的な発言以上に、連邦最高裁によるところが大きいと考えている。
 具体的には、憲法上の人工妊娠中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」を覆した22年の最高裁判断が背景にある。
 有権者はこれまで当然だと考えてきたことが突然変更される、あるいは取り消される事態が起き得ると考えるようになった。
 この判決によって、「信ぴょう性のある脅威の次元が拡大した」とカーペンター氏は指摘した。
 また、「有権者はこの判決以来、これはあまりに突飛すぎるといった考えを捨てた」と続けた。
  
 
ひとこと
 トランプに媚を売って長期政権を維持してきた日本の政治家やマスコミ、評論家などだけではなく野党政治家の素行の悪さを考えれば、大きなゆらぎが起き兼ねない状況であり、振り子が変わればきつい秩序の修正になるのは過去の体制の変化と同じだ。
 
 トランプは、ワイマール共和国政権における暗殺や暴動など社会秩序の混乱を力で抑え込む手法などマッチポンプを利用し、権限の移譲や超法規的な対応でヒトラーが独裁政権を作り出し、反対派を粛清し権力を奪取していく工作と同じアプローチを取っているようだ。
 
  
posted by まねきねこ at 03:00 | 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | onemile stone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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