ロシアのメディアは21日、ウクライナに侵攻するロシア軍部隊の司令官を務めるなか、軍の上層部を批判して、去年、解任された
ポポフ少将
が、詐欺の疑いで逮捕されたことを伝えた。
こうした動きについて、アメリカのシンクタンクは「プーチン大統領は能力より忠誠を重視しているという明確なメッセージだ」と分析している。
ポポフ少将は、ウクライナ南部ザポリージャ州に展開するロシア軍部隊の司令官を務めたうえ、去年7月、軍事作戦をめぐり軍の上層部を批判し、司令官を解任されたとこれまで伝えられていた。
当時、ロシアでは前の月の6月に、民間軍事会社の
ワグネルの武装反乱
が起きたばかりで、プーチン政権は軍の内部で指導部に対する不満が強まっていることに神経をとがらせているという見方がでていた。
1年が経過する中でプーチンらが属する情報機関と軍部との権力闘争がロシアで激しくなるなか、ポポフ少将が逮捕されたことについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「反抗的な幹部は、いずれ重大な処罰に直面するし、プーチン大統領は能力より忠誠を重視しているという明確なメッセージだ」と分析している。
ただ、ロシア国防省をめぐっては、5月に国防相がショイグ氏から交代したのに続いて、ショイグ氏に近かった国防次官も解任されるなど、プーチン大統領は、ウクライナ侵攻が長期化する中、幹部人事について見直す動きを強めて、責任転嫁を目論む動きが出始めたようだ。