中国の董軍国防相は2日、台湾を中国と不可分の領土とする「一つの中国」政策を米国が「空洞化」させ、南シナ海で一国の「判断を誤らせた」と主張、直接的に非難した。
ただ、フィリピンの名指しは避けた。
シンガポールで開催された
アジア安全保障会議(シャングリラ会合)
に国防相就任後初めて出席した董軍氏は、台湾関連法制を推進したり、武器売却を継続したり、台湾と不法な公的接触を持ったりすることで、全体の動きを目立ちにくくする「サラミスライス戦略」を米政府が展開していると批判したうえ、平和統一の可能性が損なわれていると認識を示した。
アジア安全保障会議(シャングリラ会合)
に国防相就任後初めて出席した董軍氏は、台湾関連法制を推進したり、武器売却を継続したり、台湾と不法な公的接触を持ったりすることで、全体の動きを目立ちにくくする「サラミスライス戦略」を米政府が展開していると批判したうえ、平和統一の可能性が損なわれていると認識を示した。
さらに米国について「国交を樹立した際の中国との約束に違反し、中国のレッドライン(越えてはならない一線)を試し続けている」と主張した。
中国は「独立派」と見なす頼清徳総統の就任を受け、台湾周辺で大規模な軍事演習を先月実施するなど威圧的行動をエスカレートさせている。
ひとこと
そもそも、中国において「一つの中国」政策自体が問題であり、中国の領土の範囲も誇張されている。
歴史的事実は中国の漢民族の支配地域であれば揚子江と黄河の間を中心とした部分だけであり、現在の中国の意識のある領土は異民族である蒙古族の元や満州女真族の清など征服王朝の領土であり、過去、何度も遊牧民族に繰り返し侵食され領土をなくしてしまったこともある。
そのため、傲慢な姿勢で軍事覇権を強める貪欲な野心がある中国の主張自体が歴史的にも矛盾しており、中華思想自体も近代になって作り上げられたものでしかない。