サットン・フー(Sutton Hoo)
イングランド東部イースト・アングリアのサフォーク州ウッドブリッジ近くで発見された7世紀の
アングロサクソン時代の船葬墓
のこと。
1939年に発掘され、豊かな副葬品が出土したことで知られる。
中世初期のイングランドを知るうえで極めて重要な考古学的資料で、最も著名なイギリスの考古遺跡のひとつ。
サットン・フーはデベン川左岸の絶壁上にあり、海から7マイル(約11km)離れている。
一帯は中世
イースト・アングリア王国
の墓地となっており、多数の古墳が散在し、のうち1号墓地と呼ばれる地域から出土した船葬墓が、特にサットン・フーと呼ばれている。
この土地の所有者だった
エディス・プリティ
が敷地の塚群に興味を持ち、アマチュア発掘家
バジル・ブラウン
によって発掘が行われた。
発掘調査で出土した多数の副葬品は現在、ロンドンの大英博物館に展示され、豪華な金銀の装飾品や武具、武器などがある。
また西暦625年の銘をもつ金貨が出土していることから年代も絞られ、624年に死去した
イースト・アングリア王レドワルド(Rædwald)
の墓ではないかと推定されている。
なお、この墓域は1998年からナショナル・トラストが管理している。