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2024年07月07日

クレフツ(Klephts クレフト、クレフテス、山岳党とも)

クレフツ(Klephts クレフト、クレフテス、山岳党とも)
 「泥棒」を意味し元々は単に「山賊」を意味する言葉。
 盗賊から自称武装勢力、反オスマン反乱者などの意味に派生。
 ギリシャがオスマン帝国領であった時代、田園地方に存在した山賊、もしくは反オスマン帝国活動を行なった人々のこと。
 彼らは15世紀にギリシャがオスマン帝国に征服された際、オスマン帝国の抑圧を避けるため山岳地帯へ逃亡したギリシャ人の子孫。
 19世紀後半まで山賊として活発な活動を行なった。
 彼らは山岳地帯で自由に生活しており、オスマン帝国の支配に対して戦いを続けた。
 トルコ・ギリシャ関係の発展に伴い、意味自体は「泥棒」を意味しているものの、オスマン帝国支配時代に屈しなかったギリシャ人として、現在のギリシャ人らにとって特別な意味を与えられた。
 オスマン帝国支配下でのクレフテスは、通常、オスマン帝国当局からの復讐、税の納付、債務の返済、軍事的報復を避けていた人々であった。彼らは旅行者を襲撃したり、村落を孤立化させたりしながら険しい山岳地帯や僻地に居住していた。
 クレフツの一団にはアルバニア系民族も多く含まれ、オスマン帝国の支配に対して継続的な戦争を続け、19世紀まで山賊として活動を続けた。

 1453年のビザンチン帝国の首都コンスタンティノープルがオスマン・トルコの侵攻を受け陥落、続いてモレア専制公国のミストラ陥落の後、現在のギリシャの平原の大部分はオスマン帝国の支配下となった。
 ギリシャの山脈(ギリシャ人が住み、オスマン・トルコはアクセスできない)と、ヴェネツィアの支配下にあったいくつかの島と沿岸領土は攻略されずに残り、この状況は1821年まで続いた。 
 オスマン帝国の領土は、エヤレットとも呼ばれるパシャリク(村)に分割された。
 ギリシャではモレアとルーメリアと呼ばれた。
 パシャリクはさらにサンジャクに分割され、サンジャクはしばしば封建的なチフリック(農場 τσιφλίκι tsifliki)に分割された。
 生き残ったギリシャ軍(ビザンチン軍、地元の民兵、傭兵など)は奴隷として歩兵戦闘員
   イェニチェリ
として、オスマン帝国軍に加わるか、地元のオスマン帝国の名士の私兵に仕えるか、自活するかのいずれかを選ばされた。
 ギリシャ人将兵は、多くが自由な盗賊生活を選び盗賊団となり勢力を拡大した。

 オスマン帝国支配下のクレフトは、オスマン帝国の役人からの
   復讐や税金、負債、報復
から逃れてきた男たちで。旅行者や孤立した集落を襲撃し金品等を強奪し、険しい山岳地帯や奥地に住んでいた。
 クレフトの集団のほとんどは、ギリシャ独立戦争(1821年ー1830年)に何らかの形で参加した。
 ギリシャ独立戦争中、クレフトはアルマトロイ(民兵、自警団)とともにギリシャの戦闘部隊の中核を形成した。
 戦争中は重要な役割を果たした。
 軍事統制が取れず、非効率的であったが、彼らは1821年から1827年までの臨時政府にとって唯一の実行可能な軍事力であった。
 クレフトやアルマトーレの多くは、彼ら自身の軍事的パトロン・クライアントの条件に従ってギリシャ独立戦争に参加した。
 もともと、彼らは戦争を、活動地域を拡大するための経済的、政治的な機会とみなして活動した。
 クレフトやアルマトーレのようなバルカン半島の盗賊は、民族主義的な歴史学では綺麗事で
   国民的英雄
として称賛されている。
 しかし、実際には経済的利益に動かされ、国家的なプロジェクトなどは知らず、オスマン帝国と同盟を結び、イスラム教徒と同様にキリスト教徒からも略奪していた。

 有名なクレフト
 ・アントニス・カトサントニス(Antonis Katsantonis)
 ・ジョルガキス・オリンピオス(Giorgakis Olympios)
 ・オデュッセウス・アンドルーツォス(Odysseas Androutsos)
 ・アタナシオス・ディアコス(Athanasios Diakos)
 ・ゲオルギオス・カライスカキス(Geórgios Karaïskákis)
 ・テオドロス・コロコトロニス(Theodoros Kolokotronis)
 ・ディミトリオス・マクリス(Dimitrios Makris)
 ・ニキタス・スタマテロプロス(Nikitas Stamatelopoulos)

   
posted by まねきねこ at 07:24 | 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | 格言・ことわざ・用語解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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