ケ小平が改革開放政策に大きく中国社会の舵を切り替えたことに伴い1994年には中国内初公開の米国映画として、
ハリソン・フォード主演の映画「逃亡者」
が中国の観客と低迷期の中国映画業界に衝撃をもたらした。
これ以降、映画興行における観客動員や収益が加速度的に増加しハリウッド映画が中国市場において良き時代を迎えた。
30年後、その人気は米中貿易摩擦などの尖鋭化の影響もあり興行成績は大きくて低下し、中国メディアでは「予想外の栄枯盛衰のペースに驚かされた」と報じた。
中国網によると、中国の2023年の映画興行収入トップ10にはハリウッドから1作品も入らなかった。
米メディアの報道によると、ハリウッドの映画作品が中国の興行収入に占める割合は23年に約12%まで低下した。
米誌「ナショナル・レビュー」は中国の映画産業が国内市場の需要を満たせるまで強くなるにつれ
文化的な差
がより重要な影響力を発揮するようになったと指摘した。
中国網は米メディアの「中国は今後もハリウッドにとって欠かせない重要な海外市場として位置づけるも、この市場での激しい競争に向け姿勢を整え、プランを立て直す必要がある」との見方を紹介した。
「中国市場でハリウッドが他者を『圧倒』することは今後ないだろう」と続けた。
今年の中国映画興行収入トップ10を見ると、「ゴジラxコング 新たなる帝国」が暫定8位に入ったのが最高だ。
中国市場に進出してから30年になるが、かつての人気は消え去った。
米メディアと専門家からはハリウッドは近年「創意が不足し、攻めの姿勢に欠け、作品が観客に飽きられている」ことが重要な原因と分析した。
米国CNBCなどでは中国の観客は勧善懲悪でも単純なストーリーが多いハリウッド映画に嫌気が差しているようだと指摘した。
ハリウッド業界誌「バラエティ」は「ハリウッドは中国で以前のような人気を取り戻すことが難しい。続編やヒーロー物で中国市場へのアピール力を維持しようとすれば、大いに失望させられることだろう。中国の観客は米国のシリーズ物とトム・クルーズ式の個人主義から脱却したようだ」と伝えた。
ハリウッド映画の魅力衰退の重要な原因では、中国現地の映画業界の急速な発展に伴う競争が高まったこともある。
米国の映画研究コンサルティング会社では大好評の多くの中国映画が、いずれも
実際のエピソード
庶民の生活
を原作として作られており、現実的な生活に即して共鳴が起きしやすいと説明している。
また、中国で最近はやっているサスペンス映画は
予測が困難で語りが巧み
という特徴があり、映画観賞の興味をかき立てるが、それと比べると、多くのハリウッド映画の続編は
最初から最後まで予測可能
と述べた。
また、中国映画の発展と成長は中国人観客の
自国の文化および価値観
への承認を示している。