ホークル米ニューヨーク州知事の元側近である中国系米国人の
リンダ・サン被告
と夫のクリス・フー被告が、中国のために活動した容疑で米連邦検察に起訴された。
台湾の米国内の活動を故意に妨害し、中国のために
虚偽の文書
を発行するなど、事実上、中国のスパイとして活動していた。
両被告は「扇動的な起訴」とし、「無罪」を主張している。
ニューヨーク・タイムズ(米紙)などによると、米連邦検察は3日、両被告をニューヨーク州ロングアイランドの自宅で逮捕した。
その後、外国人代理人登録法(FARA)違反、ビザ詐欺、マネーロンダリングなど
10件の容疑
で起訴した。
「FARA」は今年7月、米連邦検察が韓国系北朝鮮専門家の
スミ・テリー米外交問題評議会(CFR)上級研究員
を「許可なく韓国政府のために働いた」として起訴した際に適用した法律で、米政府に事前申告せず、外国政府の代理人として働いたということだ。
検察は公訴状を通じて、サン被告が台湾の公務員をホークル氏の事務所に接近できないように妨害し、州政府通信から
台湾への言及を削除
したと明らかにした。
また、州の高位関係者と台湾の要人の会談も中止させたと明記した。
一方、中国政府等に対しては、知事の許可なく招待状を出し、知事の署名入りの
公文書も偽造
したという悪質さだ。
中国政府機関からはその見返りにフー被告の事業に数百万ドルの取引を手当てした。
また、公演チケット、親戚の就職なども斡旋したという。
両被告はこのようなマネーロンダリングで、ロングアイランドの海岸沿いの
360万ドル(約48億6千万ウォン)相当の家
やハワイ州ホノルルの190万ドルのコンドミニアム、2024年型フェラーリなどの高級車を購入した。
連邦検察は、「サン被告がニューヨーク市民のために働いているように見えたが、実際は中国政府と中国共産党の利益のために働いていた」と明らかにした。
1983年に中国で生まれたサン被告は、幼少期に渡米した。
バーナード・カレッジで政治学修士、コロンビア大学で教育学修士を取得した。
2009年にニューヨーク州立法府で働いて公職生活を開始し、21〜22年にホークル氏の秘書室次長を務めた。ホークル氏側は、「サン被告の不正行為が発覚した昨年3月に解雇した」と説明している。
ひとこと
中国情報機関の工作の1つだろう。日本の与野党政治家やマスコミ、中国関係の企業等の経営者等への接触工作に対応できているのかどうかが問題となるだろう。
中国の工作を受けていることも認識できていない脇の甘い与野党政治家から情報が流れ出ているかどうかの確認も必要だ。
そもそも、日本の情報機関がシングルで規模も小さく、予算などへの政治家の口先介入などでスパイ天国の状態にあり、引き締めが必要になっている。
偽情報を仕込んだり、毒薬ソフトを仕込んだデータを意図的に引き渡すなどの情報戦ができる仕組みが近々の課題だ。