アーウィン・M・ジェイコブス（Irwin Mark Jacobs）クアルコムの共同創設者

アーウィン・M・ジェイコブス（Irwin Mark Jacobs

　　　1933年10月18日生まれ

　米国の電気技師、実業家　クアルコムの共同創設者で元会長、ソーク研究所の評議員会会長

　2019年現在、ジェイコブスの推定純資産は12億ドルといわれている。

　ジェイコブスはマサチューセッツ州ニューベッドフォードのユダヤ人家庭に生まれた。

　1956年にコーネル大学で電気工学の理学士号を取得し、 1957年にマサチューセッツ工科大学（MIT）で電気工学とコンピュータサイエンスの理学修士号と理学博士号をそれぞれ取得し1959年に卒業した。

　博士課程の指導教官は

　　　エドワード・アーサーズ

であった。

　シグマ・アルファ・ミュー・フラタニティのメンバーである。

　　
　ジェイコブスは1959年から1966年までMITで電気工学の助教授および准教授を務めた。

　1966年から1972年までカリフォルニア大学サンディエゴ校（UCSD）でコンピュータサイエンスとエンジニアリングの教授を務めた。

　1965年には

　　　ジョン・ウォーゼンクラフト

とともに「通信工学の原理」という教科書を共著し、これは現在でも使用されている。

　UCSDのジェイコブス工学部は彼と彼の妻にちなんで名付けられている。

　1968年、ジェイコブスは

　　　アンドリュー・ビタビ

と共同で衛星暗号化装置の開発のため

　　　リンカビット社

を設立した。

　同社は1980年にM/A-COM社と合併し、M/A-COMリンカビットとなった。

　1985年、ジェイコブスは

　　　ヴィタビ

　　　ハーヴェイ・ホワイト

　　　アデリア・コフマン

　　　アンドリュー・コーエン

　　　クライン・ギルハウゼン

　　　フランクリン・アントニオ

とともにクアルコム社を共同設立した。

　クアルコムは、世界で最も「技術的に進歩した双方向モバイル衛星通信および追跡システム」の1つとみなされた

　　　オムニトラックスシステム

を開発した。

　彼は、従来の固定タイムスライスTDMA技術よりも効率的に通信帯域幅を使用するこれらのシステムを開発した。

　そのコード分割多重接続（CDMA）は、当時北米で次世代携帯電話に使用されていた2つのデジタル標準（もう1つはグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ（GSM））の1つとして採用された。

　ジェイコブスは2009年3月にクアルコムの会長を退任し、息子の

　　　ポール・E・ジェイコブス

が後を継ぐと発表した。

　
　ジェイコブスは、コミュニケーション理論と実践への貢献、およびハイテク製品開発におけるリーダーシップにより、1982年に

　　　全米工学アカデミー

の会員に選出された。

　また、 IEEEのフェローでもある。

　米州対話のメンバーでもあう。

　ソーク生物学研究所の会長であり、イスラエル工科大学の国際諮問委員会のメンバーである。

　また、北京の清華大学経済管理学院の諮問委員会のメンバーでもあり、ロサンゼルスの太平洋国際政策評議会の理事会のメンバーでもある。

　アーウィン・ジェイコブス、2014年に台湾の国立清華大学から名誉工学博士号を授与される
　1980年、ジェイコブスは

　　　アンドリュー・J・ビタビ

とともに、1980年度

　　　アメリカ航空宇宙学会（AIAA）

の2年毎の賞を共同受賞した。

　1992年、ジェイコブスはアメリカ起業家協会からハイテク分野の起業家オブ・ザ・イヤー賞を受賞し、1993年5月にはアメリカ電子工学協会（AEA）の「アメリカの未来の発明」賞を受賞した。

　1994年、ジェイコブスはCDMAの開発によりアメリカ国家技術賞を受賞した。

　1994 年には、「コーネル大学年間最優秀起業家賞」も受賞した。

　1995年、ジェイコブスはリーダーシップ、理論、実践、製品開発など、電気通信分野への顕著な貢献が認められ、IEEEアレクサンダー・グラハム・ベル賞を受賞した。

　2000年、ジェイコブスは携帯電話業界での功績によりワイヤレスの殿堂入りを果たした。

　2001年、ジェイコブスはビジネスリーダーシップに対するバウアー賞を受賞した。

　2004 年、ジェイコブス氏と妻のジョーン ジェイコブス氏はサンディエゴの公共芸術と教育に貢献しました。この功績により、ジェイコブス氏は2004 年に企業市民活動に対するウッドロー ウィルソン賞を受賞しました。

　2005年、ジェイコブスはMITの2005年度卒業式でスピーチを行い、ジェイコブス工学部で2008年度卒業式でスピーチを行った。

　2007年、ジェイコブスとビタビは「無線通信の成長を可能にした根本的な貢献、革新、リーダーシップ」により2007 IEEE/RSEウルフソン・ジェームズ・クラーク・マクスウェル賞を受賞した。 

　2009年に彼はAAAS（アメリカ科学振興協会）のフェローに任命された。

　2011年にジャック・ウルフと共にマルコーニ賞を受賞した。

　2011年にマルコーニ賞受賞者およびマルコーニフェローに選出された。

　2011年、ジェイコブスはサンディエゴ航空宇宙博物館の国際航空宇宙殿堂入りを果たした。

　2012年、ジェイコブスはWPケアリー経営大学院の学部長評議会から年間最優秀エグゼクティブ100人に選ばれた。

　2013年、ジェイコブスは全米発明家の殿堂入りを果たした。

　2013年、彼は電気電子技術者協会（IEEE）から名誉勲章を受賞した。これはエンジニアが同僚から受けられる最高の栄誉である。IEEEは、彼がこの賞を受賞したのは彼のイノベーションだけでなく、「イノベーションを何度も何度も産業応用に応用する能力」に対してだと述べている。

　2013年11月、台湾の国立清華大学より「特別栄誉教授」の称号を授与された。

　2013年にアメリカ哲学協会の会員に選出された。

　2014年8月と10月に、ジェイコブスは台湾の国立清華大学と香港理工大学から名誉博士号を授与された。

　2014年、ジェイコブスは「デジタル携帯電話、データと通信、テクノロジーにおける先駆的な業績」によりコンピュータ歴史博物館のフェローに選出された。

　2015年、ジェイコブスはカーネギー慈善賞を受賞した。

　2017年、ジェイコブスはイェール大学から名誉工学技術博士号を授与された。

　2017年、ジェイコブスとビタビは、モバイル業界を牽引するCDMAとスペクトル拡散の開発によりIEEEマイルストーン賞を受賞した。

　2018年2月、台湾国立清華大学学長名誉顧問に任命される。

　2018年3月、彼はIMEC生涯イノベーション賞を受賞した。

　2019年7月、英国ヨーク大学より名誉博士号を授与された。

　2019年10月、ロンドンでIETマウントバッテンメダルを受賞した。

　
　クアルコムの共同創設者兼会長として、ジェイコブスはいくつかの学校や団体への寄付や助成金を通じて教育分野に数億ドルを寄付してきた。

　彼の寄付は主に工学やコンピュータサイエンス、芸術の分野の学生のためのフェローシップや奨学金に充てられ、サンディエゴ地域に集中している。

　サンディエゴ・ユニオン・トリビューンは2011年に彼を「慈善家の最高責任者」と称した。

　アーウィンとジョーン・ジェイコブスは2002年にサンディエゴ現代美術館のダウンタウンにある旧鉄道駅手荷物預かり所の改修のために500万ドルを寄付しました。この建物は彼らの名誉を称えて名付けられた。

　ジェイコブスは、サンディエゴ交響楽団に1億2000万ドル、カリフォルニア大学サンディエゴ校のジェイコブス工学部にも同額、UCSDの将来の専門病院に1億ドル、サンディエゴのダウンタウンにある中央図書館の建て替えに2000万ドルを寄付することを約束している。

　また、2005年には、ラホヤプレイハウスのジョーン＆アーウィン・ジェイコブスセンターが、施設の発展に対する彼らの慈善的貢献を称え、ジェイコブス夫妻にちなんで名付けられた。

　2013年4月、ジェイコブス夫妻はニューヨーク市のルーズベルト島にあるコーネルテックの共同キャンパス開発に1億3300万ドルを寄付した。

　台湾の国立清華大学にあるジョアン・アンド・アーウィン・ジェイコブスTIX研究所は、イノベーションと起業家精神を奨励するという使命を持ってジェイコブスによって後援された。

　アメリカ自由人権協会財団は2022年1月、同団体史上最大の一回限りの寄付金となる夫妻の2000万ドルの寄付を記念し、係争中の米国最高裁判所訴訟リストを「ジョーン・アンド・アーウィン・ジェイコブス最高裁判所訴訟記録」に改名すると発表した。

寄付の誓約
2010年8月、アーウィンとジョーン・ジェイコブスはギビング・プレッジに参加し、彼らの財産の大半を慈善事業に寄付することを誓約した。[ 36 ]

私生活
1954年、ジェイコブスはニューヨーク市出身で栄養士で同じくコーネル大学（1952年卒業）のジョーン・クラインと結婚した。[ 39 ]彼らはカリフォルニア州ラホヤに住み、4人の息子がいる。[ 40 ]息子のポール・E・ジェイコブスは2014年3月に退任するまでクアルコムのCEOとしてアーウィンの後を継いだ。ジェフ・ジェイコブスはクアルコムの最高マーケティング責任者だった。次男のハル・ジェイコブスは1985年のマカビア競技大会でバレーボールの米国チームに所属し、ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」の共同プロデューサーでもある。長男のゲイリー・E・ジェイコブスはゲイリー・アンド・ジェリー・アン・ジェイコブス・ハイテク・ハイ・チャーター・スクールの理事長である。[ 5 ]孫娘のサラ・ジェイコブスは民主党の政治家で、カリフォルニア州第53選挙区の代表者である。[ 41 ]彼の妻、ジョーン・ジェイコブスは長い闘病の末、2024年5月6日に91歳で亡くなった。彼女の生涯を記念して、2024年5月13日にラディ・シェルで追悼式が行われた。[ 42 ]