10月からロシアのクルスク州で戦闘任務についている
ウクライナ軍第36独立海兵旅団
ウクライナ軍第36独立海兵旅団
の砲兵部隊に所属する
パベル・サマリン大尉
オレクサンドル・ボイツク曹長
らが22日、ロシア西部クルスク州で交戦している
「北朝鮮兵とみられる部隊」
について「最初の砲撃を受けると恐怖心から仲間同士で身を寄せ合うので、狙うのが簡単。実戦経験の不足が明らかだ」と語った。
前線に近いウクライナ北東部スムイで日本の共同通信の取材で述べたという情報が流れている。
米国防総省はそれより前に、ロシア軍に派遣された約1万2千人の北朝鮮兵士が合流し、クルスク州などでウクライナ軍との戦闘に加わったと明かしており、3000人以上が死傷し戦闘能力が削がれているとも伝えており、将兵の消耗率が25%という状況だ。
サマリン大尉は「(北朝鮮兵は)常に徒歩で移動し、車両も高性能兵器も使用しない。部隊の人数を増やすという点では効果があるかもしれないが、戦力としての効果は薄い」と指摘した。
2人の証言によると、同州のロシア軍陣地に11月ごろから「アジア系の顔立ちの兵士ら」が頻繁に姿を見せ始めた。
ウクライナのゼレンスキー大統領も23日、同国軍との戦闘のためにロシア西部クルスク州に派遣された北朝鮮兵のうち、3千人超が死傷したとの見方を示した。「北朝鮮がロシア軍に追加の兵士と装備を送るリスクがある」とも指摘した。
ひとこと
独ソ戦争で金日成ら北朝鮮を建国する朝鮮人部隊がソ連で軍事訓練を受け、終戦後、スターリンの支援を受けて戦車とともに帰還した。
南侵を目論んだ金日成が突然、韓国側になだれ込んだ朝鮮戦争当初の優勢な作戦が、独ソ戦からの帰還兵で構成されていたことを考えれば、ウクライナで経験を積み重ねさせる目的もある金正恩が、北朝鮮から派遣した将兵に「ロシアからの近代戦の経験の移転と、軍事技術の修得」により、韓国等極東地域での軍事覇権を目論んだのであろう。
ただ、派遣した北朝鮮の将兵は激戦地域への投入で消耗が著しく高く「壊滅」ともいえる負け戦であり、軍事力の劣化となり、目論見通りには事が運ばない可能性が高そうだ。