米国債市場では8日、20年債利回りが一時5%台に乗せた。インフレ懸念で世界的に金利に上昇圧力がかかる中、国債市場が転換点を迎える不吉な予兆となる恐れがある。
20年債利回りが5%を上抜けるのは2023年以来。背景には、トランプ次期大統領の政策が物価上昇圧力を再燃させ、財政赤字の拡大を招きかねないとの懸念がある。
20年債は2020年に再導入された比較的新しい年限であり、例外的な存在だが、他の年限と同様に売り圧力を受けている。米ADP民間雇用者数が予想を下回る伸びとなったことで、利回りはその後、上昇幅を縮めた。
30年債利回りは一時4.96%を突破。10年債利回りも4.73%に迫る場面があった。英国や新興市場国全般でも利回り上昇が鮮明となっている。