市場散歩   注目銘柄   One Milestone   証券会社

2025年01月14日

米経済の強さ示した雇用統計で株と債券が同時安 投資家には頭痛の種が生まれている

 2025年に入って早々、市場の楽観的な見通しに暗雲が立ち込めた。
 米株式市場は年初から不安定な滑り出しとなっていたが、10日にはほぼ
   全面的な売り
につながった。
  
 この日発表された昨年12月の雇用統計では労働市場の堅調ぶりがあらためて示されたことで、近い将来の追加利下げへの扉は閉ざされたと市場は解釈した。

 市場の反応は、良い経済ニュースが市場にとって単純に朗報とはならないことを如実に示すものだ。
 特に金利感応度が高い投資戦略や、負債を抱える企業にとって、追加利下げの後ずれは脅威となる。
 パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の金融緩和に期待して2025年に強気見通しを立てている投資家にとって、雇用者数が3月以来の大幅増となり、失業率が予想外に低下した今回の雇用統計は頭痛の種となった。
   
 最近はリスク資産が苦戦しており、特にトランプ・トレードの巻き戻しが目立つ。
 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは昨年11月の米大統領選後の上昇分をある程度維持しているが、S&P500種株価指数の上昇分はほぼ失われた。
 トランプ次期政権の成長重視路線や保護主義的な政策への期待で物色されていた小型株はさらに下落している。
  
 金利の上昇がトランプ氏の政策課題実現に向けた資金調達コストの上昇を招く恐れもある。
 米10年債利回りは足元、2024年末時点に比べて約20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い水準にある。
  
 インフレ鈍化を示す経済指標が株価を押し上げていた昨年とは異なり、1月に入るとインフレ再燃が意識されて株式、国債ともに相場が軟調となった。
 S&P500種と長期国債の動きに連動する
   上場投資信託(ETF)
によると、株式と債券を組み合わせたリターンは現在、5週連続でマイナスとなっている。これは2023年9月以来の長さだ。
  
 10日に発表された昨年12月の雇用統計以外にも、米経済が堅調で物価圧力が高まっているいることを示唆する指標は相次いでいる。
 ミシガン大学が同日発表した1月の調査では、消費者の長期インフレ期待が2008年以来の水準に上昇した。
  
 原油価格も上昇しており、北海ブレント原油は10日、一時1バレル=80ドルを突破して昨年10月以来の高水準となった。
   
 
ひとこと
 ロスの大火災における保険支払いなどで、保険会社が保有している株や債券等を含め投資先の精算で現金化する動きが加速してくることも、投資家心理を冷やすだろう。
 円安で欧米投資家が日本の株式市場等を席巻してきたが、売りが売りを呼び暴落するかどうかは不明だが、保険会社が支払資金を確保するため売る動きが強まるだろう。

   
posted by まねきねこ at 03:00 | 愛知 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 市場散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック