中国金融当局は
記録的な資本流出
が人民元相場を圧迫しているため、
本土企業
による対外投資や香港での新規株式公開(IPO)などで集めた資金の使途に対する監視を強化している。
この事情に詳しい関係者が非公開情報だとして関係者が匿名を条件に明らかにした。
当局は最近、香港でのIPOや新株発行を目指す本土企業に対し、
調達資金
を国外に送金したい場合は
国家外為管理局(SAFE)
から「異議なし」の通知を受けることになると語った。
通知を受け取ることができなかった企業は、株式発行で得た資金は中国本土に送金するよう指示されるという。
この取り組みに詳しい関係者によると、規制当局は企業が
対外直接投資の名目で国外に送金する資金
を一段と厳しく調査し始めている。
一部の企業が本土から資金を移すため、
取引を偽装
しているのではないかという危惧があるためだ。
SAFEが先に公表した昨年の対中直接投資では
1680億ドル(約25兆1500億円)
の流出超となり、人民元が下落する要因ともなっており、輸入物価の上昇からインフレ傾向が強まっている。
過去最大の流出超で当局は懸念を強めている。
送金などの監視強化といった措置は、経済成長の鈍化と米国を大きく下回る金利水準により本土資産の魅力が低下し、下落圧力が加わっている人民元を支える可能性がある。
一部のアナリストは、トランプ米大統領が中国を関税やその他の
懲罰的措置
の対象としていることから、元相場がさらに圧力を受けると想定している。
10年前に人民元が大幅に切り下げられたことで、
推定1兆ドルの資本流出
が起きたこともあり、中国当局は資本逃避に対し敏感になっている。


