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2025年03月01日

米国の財貿易赤字がトランプ関税に先立ち輸入が急増し、1月は過去最大

 米国の財貿易赤字は1月、予想に反して拡大し、過去最大を記録した。
 トランプ米大統領が就任に際し、表明してきた関税引き上げの実施を前に輸入が急増した。
 28日の発表によると、財貿易赤字は
   1533億ドル
と前月比25.6%増加した。
 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想で1166億ドルで、3割も多い数値で、関税リスクの回避に動いた形で、輸送コスト等がより大きく増加した金額が付加された可能性もあるがこの数字はインフレ調整されていない。

 輸入は11.9%拡大して3254億ドルだった。
 産業資材や消費財がけん引した。
 また、輸出は2%増の1722億ドルで資本財の増加を反映した。

 トランプ政権は国内生産の活性化や輸出促進、不公正とみなす貿易政策との闘いにおいて関税に目を向けており、月間の貿易統計が経済的および地政学的な重要性を増している。
 企業が製造拠点を米国に移すのはそもそも容易ではないため、こうした取り組みの実現は難しいとエコノミストは指摘しており、歪んだ思考があるトランプ政治では米国内企業というよりも米国消費者に過酷な試練となりそうだ。
 
 安価に輸出してきた日本企業の女衒的な薄利多売なる経営思考ではそもそも太刀打ちなどできないため、付加価値の引き上げて、輸出量を削減して利益を確保する転換が必要だろう。
 GMが倒産した背景は薄利多売が経済悪化で販売料が確保できずに固定費の割合が増えたことを意識すべきだ。

 エコノミストはまた、米国の消費の高さや輸入を割安にするドル高といったマクロ経済要因も貿易赤字に大きく影響していると指摘した。
 世界の基軸通貨としての地位がドル高を後押ししている面もあるが、トランプ政治は世界との対立軸を作り出し米国経済の孤立化が進む可能性もある。
 そもそも、米国兄張り巡らされて金を吸い上げる仕組みの多くがイギリスやフランス、ドイツ、イタリア、北欧などの投資家由来のものばかりであり、対立が強まれば資金の流出が加速する可能性もある。
 アジア通貨危機におけるLTCMが稼ぎまくったものの、ロシアの経済引きを誘導した結末で、LTCMが破綻した問題の背景に注目すべきだろう。

 米国の貿易で1月に輸入が急増したのは、関税引き上げに先立ち米企業が国外からの納入を確保したためとみられる。
 トランプ氏は今月に入って中国に10%の関税を賦課し、27日にはカナダとメキシコに対する関税を3月4日に発動すると述べた。
 中国に対しても、同日に追加で10%の関税を課すとした。
 さらに、いわゆる相互関税も4月に実施される見通しであり、米国内経済に波及する流れで消費が低下し、物価が上昇するなどスタグフレーションに陥るかどうかにも注目だ。
 なお、サービスも含めた1月の米貿易統計は3月6日に発表される予定だ。
 
    
posted by まねきねこ at 06:44 | 愛知 | Comment(0) | TrackBack(0) | 市場散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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