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2025年03月12日

トランプ氏がカナダ関税引き上げ表明した数時間後に「見直し」示唆

 トランプ米大統領は11日、カナダの鉄鋼およびアルミニウムに対する関税を50%に引き上げる計画については見直していると述べた。
 トランプ氏は同日これより先、カナダのオンタリオ州が
   米国向けの電力価格に25%上乗せしたこと
への報復として、カナダ産鉄鋼・アルミ関税の引き上げを表明していた。
 なお、その後、オンタリオ州の
   フォード首相
は電力価格上乗せの停止を表明した。
 これが関税引き上げ方針の撤回につながるかとの記者団の質問に対し、トランプ氏は「それについては検討中だが、おそらくそうなる」と語り、「追って知らせる」と続けた。

 オンタリオ州のフォード首相とラトニック米商務長官は13日にワシントンで会談すると発表し、電力価格上乗せ停止の方針も明らかにした。

 この日の米株式市場では、米国と隣国カナダによる
   貿易摩擦激化への懸念
が強まり、一時は幅広い銘柄で売りが優勢となり、S&P500種株価指数は直近高値からの下落率が調整局面入りの目安である10%を超えた。
 ただ、その後はウクライナが30日間の停戦を受け入れる用意があるとのニュースも伝わり、持ち直した。
  
 
ひとこと
 右往左往した一コマだが、劇場型政治家のトランプの感情任せの発言では、米国経済は大きく悪化する可能性が高い典型的な出来事のひとつだ。
 もしも、電力料金が25%上昇すれば、NYでの反トランプ派が大きく広がり、経済的なダメージは計り知れなくなる瀬戸際であった。
 単純に白黒をつけるような圧力ではこうした問題を何度も引き起こし、トランプの経済的な屋台骨でもあるトランプオーガナイゼーションの経営にも直撃が生じることになりかねない。
 そもそも、移民政策でも農繁期の人手が確保できなくなり、農産物の急激な上昇を引き起こすことだろう。その対策に輸入農産物で穴埋めは出来ないだろう。
 また、建設労働力の確保でも、過去の歴史を見れば雑益的な部分に劣悪な環境の業界に米国民が従事するかどうかだ。
 アメニティ分野もしかりだろう。
 人目を引きたがるこうした劇場型政治家の一挙朱一投足はうまく行けば良いが、失敗すれば期待が大きい分だけ、より大きな損害を引き起しかねないだろう。
 そもそも、サンベルトの産業の衰退は米国企業の多くが利益を確保しスクラップしたことが背景にあり、海外企業が進出してもその穴が埋まるものではない。


posted by まねきねこ at 08:00 | 愛知 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 市場散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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