JPモルガン・チェースのストラテジスト
ニコラオス・パニグリツグルー
ミカ・インキネン
両氏を含むストラテジストが12日付のリポートで「米株市場の調整は最悪期を脱した可能性が高い」との見方を示した。
ミカ・インキネン
両氏を含むストラテジストが12日付のリポートで「米株市場の調整は最悪期を脱した可能性が高い」との見方を示した。
クレジット市場は株式市場ほどリセッションリスクを織り込んでいないと指摘した。
クレジット市場からのシグナルは過去2年の間に何度も正しさが証明されたが、現在は「株式市場や金利市場よりも米国の景気後退リスクを低く見積もっている」と続けた。
JPモルガンの分析によると、国内経済への感応度が高い小型株は米国の景気後退の可能性を50%織り込んでいるが、クレジット市場は9−12%。金利市場と商品市場も株式市場と同様の確率を見ているという。
こうしたJPモルガンの見方は米経済が縮小し株価が調整局面入りするのではないかという投資家の不安を和らげるものだ。
ただ、ゴールドマン・サックス・グループやシティグループのアナリストは今週、成長への懸念を理由に米国株の見通しを下方修正した。
エド・ヤルデニ氏をはじめとする市場予測の専門家は2025年についての強気見通しを後退させている。
トランプ米大統領の行きつ戻りつする貿易政策と政府職員の削減がセンチメントを悪化させ、S&P500種株価指数は2月に付けた過去最高値からほぼ9%下落した。
また、ハイテク株は調整局面に入った。
また、ハイテク株は調整局面に入った。
JPモルガンのストラテジストは、最近の株価下落はクオンツファンドのポジション調整によるものが大きく、ファンダメンタルズや米国の景気後退リスクを再評価している運用者の売りによる部分はそれほど大きくないと分析した。
マルチ戦略のヘッジファンドの中には、一斉売りにより集中していた取引を急速に解消せざるを得なくなり難局に直面しているところもある。
JPモルガンのストラテジストは米国株に投資する上場投資信託(ETF)への資金流入が続けば市場が支えられるとみている。
投資信託や米国の確定給付年金基金、一部の政府系ファンド(SWF)による月末や四半期末のリバランスによる買いによって株式相場が押し上げられる可能性も指摘した。