新興市場国の現地通貨建て債券が、ドル建ての新興国債券をアウトパフォームするとの見方が強まっている。
原油価格下落に伴う
インフレ圧力の緩和
に加え、国際貿易を巡る混乱で新興市場国における
利下げ観測
が強まっていることが追い風となっており、
現地通貨建て債
は今年に入り、2022年以来、最も好調なスタートを切った。
インフレ圧力の緩和
に加え、国際貿易を巡る混乱で新興市場国における
利下げ観測
が強まっていることが追い風となっており、
現地通貨建て債
は今年に入り、2022年以来、最も好調なスタートを切った。
こうした半面、トランプ米大統領による
関税を巡る発言
が米ドルの重しとなり、ドル建て債は精彩を欠いている。
関税を巡る発言
が米ドルの重しとなり、ドル建て債は精彩を欠いている。
ブルームバーグの指数によれば、新興市場国の現地通貨建て債券は年初来で3.2%のリターンを記録しており、ドル建て債の0.7%を大きく上回っている。
この結果、リスクが高いとされる現地通貨建て債券の利回りが、通常は安全資産とされるドル建て債よりも低い水準で取引される異例の状況に陥っている。
現地通貨建て債指数の平均利回りは4.03%まで低下し、ドル建て新興国債指数の7.1%、米国債指数の4.12%を下回っている。
現地通貨建て債指数の平均利回りは4.03%まで低下し、ドル建て新興国債指数の7.1%、米国債指数の4.12%を下回っている。
足元で現地通貨建て債の大きな追い風となっているのが、新興国の中銀が金融緩和に動くとの観測やトランプ大統領の上乗せ関税発表に伴う世界的な混乱が背景にある。
ブルームバーグのデータによると、18の新興市場国を対象とした1年物金利スワップの指数は4月だけで約15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。
月間では昨年9月以来の大幅な下げとなる見通しだ。
月間では昨年9月以来の大幅な下げとなる見通しだ。
また、ドルの先行きに対する懸念の高まりから、ドル建て債の発行を控える動きも出てきた。
ブルームバーグの集計によると、中国を除く新興市場国によるドル建て債券の発行額は月初来で前年同期比36%減の51億ドル(約7200億円)にとどまっている。