コンティーニ一族（Contini clan）有力なナポリ市のカモッラ一族で、特にナポリ中央駅周辺で活動する犯罪組織

コンティーニ一族（Contini clan）は、ナポリ市、特にナポリ中央駅周辺で活動する有力なナポリのカモッラ一族である。

　一族の伝統的な拠点はアレナッチャ地区で、ナポリ郊外のポッジョレアーレ、ヴァスト、メルカート、サン・カルロ・アッラーレナでも活動している。

　同一族はイタリア国外でも活動しており、特にスペインのバルセロナ、オランダのアムステルダム、そして東ヨーロッパで活動している。

　コンティーニ一族は

　　　セコンディリアーノ同盟

の創設一族の一つでもあり、当局は現在も活動を続ける最も有力な

　　　カモッラ・グループ

と見なしている。　

　活動期間　1980年代〜現在

　活動地域　ナポリの様々な地区
　領土　イタリアのリミニ、オランダのアムステルダム、スペインのバルセロナ、そして東ヨーロッパ
　民族　カンパニア人
　構成員　正会員150〜250名、協力者数不明
　犯罪活動

　　組織犯罪、詐欺、密輸、恐喝、麻薬密売、売春、マネーロンダリング、偽造
◯同盟

　・マヤルド一族（Mallardo clan）
　・リチャルディ一族（Licciardi clan）
　・ディ・ラウロ一族（Di Lauro clan）
　・リナルディ一族（Rinaldi clan）
　・モッチャ一族（Moccia clan）
　・マリアーノ一族（Mariano clan）
　・コミッソ・ンドリーナ（Commisso 'ndrina）
　・ウクライナマフィア（Ukrainian mafia）
　・チェザラーノ一族（Cesarano clan）
◯敵対勢力

　・マッツァレッラ一族（Rivals Mazzarella clan）
　・ジュリアーノ一族（Giuliano clan　解散）
　・カルダレッリ一族（Caldarelli Clan）

　　
　組織は、カモッラのボス

　　　エドアルド・コンティーニ

によって1980年代初頭に設立された。

　数年後、彼は

　　　ラファエレ・クトロ

が率いる

　　　ヌオーヴァ・カモッラ・オルガニザータ

に対抗する

　　　ヌオーヴァ・ファミリア連合

に加わった。

　当時はサン・カルロ・アッレナで犯罪組織を率いていた。

　1980年代半ば、コンティーニは既にナポリで最も影響力のある犯罪者の一人とみなされた。

　コロンビアの麻薬密売人やシチリアのギャングと会合した後、東ヨーロッパのコカイン市場を獲得した。

　当時、彼は

　　　フランチェスコ・マヤルド

　　　ジェンナーロ・リッチャルディ

と共にセコンディリアーノ同盟を設立した。　

　コンティーニの権力は、彼の起業家精神と、極限の状況下でのみ武器を選択することに支えられている。

　内部分裂やペンティティ（正義の協力者）の不在により、構成員は他のナポリのクランと比べてほぼ無敵の状態にある。

　この組織の特徴は、

　　　エドゥアルド・コンティーニ

を裏切った者はおらず、また彼の部下が組織のトップの座を目指して亀裂を生じさせた者もいないことである。

　エドアルド・コンティーニは逮捕前、イタリアで最も危険な逃亡者30人に名を連ねていた。

　2017年、グアルディア・ディ・フィナンツァ（金融警備庁）は、コンティーニ一族に属する3億2000万ユーロを押収した。

　押収された資産には、カンパニア州とモリーゼ州間の

　　　ガソリンスタンド

やナポリ州とアヴェリーノ州間の

　　　バー

　　　タバコ店

　　　コーヒー焙煎会社

　　　宝石店

そしてイスキア島の別荘を含む約30の不動産が含まれた。

　捜査官によると、これは一族の資産のほんの一部に過ぎない。

　2019年、ディ・ラウロ一族のリーダーであり、

　　　パオロ・ディ・ラウロ

の四男である

　　　マルコ・ディ・ラウロ

が逮捕された後、コンティーニ一族は内部分裂がなく、司法協力者となるような関係筋も持たなかった。

　このため、カモッラ（イタリア語で「カモッラ」）で最も強力な一族となった。

　一族は麻薬密売、恐喝、賭博、偽造に関与しており、ヨーロッパ各国で数億ユーロを投資している。

　ディ・ラウロ一族はコンティーニ一族、特にボスの

　　　エドアルド・コンティーニ

の甥である

　　　チーロ・コンティーニ

と同盟関係にあるとされている。

　ドメニコ・エスポジトの記録によると、両一族は麻薬密売ビジネスに関して協定を結んでいる。

　この組織は、ウクライナマフィアと

　　　タバコ密輸ビジネス

で協力していると言われている。

　ウクライナ人は、コンティーニ一族の協力を得て、ウクライナや東ヨーロッパからイタリアへタバコを密輸し、イタリアのナポリ市場に供給していた。

　イタリア警察の捜査により、コンティーニ一族と、有力な

　　　コミッソ・ンドリーナ（Commisso 'ndrina）

のメンバーである

　　　クルピ兄弟

とのつながりが明らかになった。

　両組織は麻薬密売ビジネスで協力していると報じられた。

　2019年9月、「プロフェタ（偽善者）」の異名を持つ

　　　ルイジ・ディ・マルティーノ

が、41-bis刑務所に移送された。

　ディ・マルティーノは、コンティーニ一族とカステラマーレ・ディ・スタービア出身の由緒ある

　　　チェザラーノ一族

との同盟関係において、中心人物であった。

　2019年10月、イタリア警察はリミニ市を拠点とし、秘密裏に携帯電話を使って監獄から組織を運営していた

　　　「オ・ニローネ」

として知られる

　　　チーロ・コンティーニ

を筆頭とする組織の支部を解体した。

　コンティーニは暴力的で同性愛嫌悪、性差別的なボスであり、「楽しみのために殺人を犯す」極めて危険な人物とされている。

　彼は恋人に対し、女性は一族内の男性だけの会合に参加してはならないと告げていた。エドアルドの甥であるコンティーニは、ナポリの組織幹部から歓迎されず「異端者」とみなされていた。

　このため、エミリア＝ロマーニャ州に勢力を移し、そこで新たなグループを設立した。
　2019年11月8日、イタリア警察は、一族の有力者と目されていた

　　　ガエターノ・アッタルド

をカステル・ヴォルトゥルノ地方の別荘で逮捕した。

　「トニーノ・イル・ビオンド」の異名を持つ

　　　アントニオ・リーギ

は、捜査官によって、イギリスで一族のために

　　　資金洗浄

を行っていたとされている。

　彼の計画に関与していた英国企業の中には、ロンドン・ウエストエンドのオックスフォード・ストリートからほど近い高級テラスハウスに登記されている企業もあった。

　リーギに対する裁判は、彼が現代の国際金融の仕組みを熟知していたことを明確に示した。

　イタリア警察は、彼の資産2億5000万ユーロを押収した。

　数ヶ月にわたる捜査とインターポールの共同捜査の後、2020年6月3日、イタリア政府はついに

　　　サルヴァトーレ・ヴィットリオ

のドミニカ共和国からイタリアへの身柄引き渡しを実現した。

　ヴィットリオはサントドミンゴのコンティーニ一族のマネーロンダリング業者とみなされていた。

　イタリア当局によると、彼はマフィア的な犯罪組織への関与とマネーロンダリングの容疑で告発されている。