TACO政治家と揶揄されるトランプ米大統領と中国の習近平国家主席は貿易問題で新たな対立を抱え、ボールは今や相手側のコートにあると双方が主張する構図となっている。
輸入関税率のさらなる引き上げに向けて刻一刻と時間が迫っている。
こうした中で、どちらが先に譲歩するかが今後の焦点だと言えそうだ。
トランプ氏は10日、中国による最新のレアアース(希土類)輸出規制強化を理由に、11月1日から100%の対中追加関税を課すと警告した。
その後、トランプ氏が中国とのディール(取引)に前向きな姿勢を示唆し、バンス副大統領は12日、結果は「中国の対応次第だ」と主張、経済が赤すれば中国の責任とも言いたいような伏線を敷いた。
これに対し中国側は、今後は米国の出方を見極める方針を明確にした。
これに対し中国側は、今後は米国の出方を見極める方針を明確にした。
中国外務省の林剣報道官は13日の定例記者会見で、「米国が誤った道を進み続けるなら、中国は自国の正当な権利と利益を守るため、断固として必要な措置を講じる」と話した。
混乱の中にあって中国市場は底堅さを示した。中国本土株の指標、CSI300指数は13日の取引を0.5%の小幅安で終了した。
投資家が今回の緊張再燃を戦略的な駆け引きとみなしていることが示唆された。
投資家が今回の緊張再燃を戦略的な駆け引きとみなしていることが示唆された。
また、トランプ氏が姿勢を和らげるとともに、米中が通商協議の継続に前向きな姿勢を示したことを受け、13日の米株式相場は反発。S&P500種株価指数は1.6%高と、5月以来の大幅上昇となった。
米中首脳は今月、韓国での会談実施が予定されている。
ベッセント米財務長官は13日、トランプ氏と習氏の会談が「引き続き実施されるとみている」と語った。
さらに、週末には米中の「実質的なコミュニケーション」があったことを明らかにするとともに、スタッフレベルの協議が今週行われるとの見通しを示した。
さらに、週末には米中の「実質的なコミュニケーション」があったことを明らかにするとともに、スタッフレベルの協議が今週行われるとの見通しを示した。
ベッセント氏は他方で、トランプ政権が同盟国と連携して中国への圧力を強める動きに出ると予想しているという。
中国が打開に向けて行動を起こさない場合には「力ずくの対抗措置」を取るとも警告した。
中国が打開に向けて行動を起こさない場合には「力ずくの対抗措置」を取るとも警告した。
一方で中国当局者は、貿易を円滑に進めるため、包括的なレアアース規制には「例外」を設ける可能性があるとしている。
ひとこと
外交交渉を不動産取引と同じような手法で行うトランプ政治はTACOとも言われている。
強気で押し込めきれない足腰の弱さがこれまで年度も繰り返されており、高圧的な主張も時間が経過すれば手を引っ込め腰を引いている。
習近平の政治力の低下を見越したのだろうが、政敵の逆風に晒される習近平が追い落とされかねないため妥協できない。


