アンダーアーマー(Under Armour, Inc.)は、米国メリーランド州ボルチモアに本社を置き、フットウェアやアパレルを製造・販売する米国のスポーツウェア企業である。
売上高 51億6400万米ドル(2025年)
営業利益 -1億8500万米ドル(2025年)
純利益 -2億100万米ドル(2025年)
総資産 43億100万米ドル(2025年)
純資産 18億9000万米ドル(2025年)
従業員数 14,400人(2025年)
営業利益 -1億8500万米ドル(2025年)
純利益 -2億100万米ドル(2025年)
総資産 43億100万米ドル(2025年)
純資産 18億9000万米ドル(2025年)
従業員数 14,400人(2025年)
◯子会社 カリー・ブランド(Curry Brand)
アンダーアーマーは1996年9月25日、当時24歳でメリーランド大学フットボールチームの元スペシャルチーム・キャプテンであった
ケビン・プランク
によって設立された。
プランクは当初、ワシントンD.C.にある祖母の家の地下室で事業を開始した。
彼は車のトランクにアパレル製品を積み込み、東海岸各地を回って営業活動を行った。
チームへの最初の販売は1996年末に行われ、その売上高は1万7000ドルであった。
プランクはワシントンD.C.近郊にあった祖母のロウハウス(連棟住宅)から、ボルチモアへと拠点を移した。
メリーランド大学でフルバックとしてプレーしていたプランクは、ジャージの下に着ていたTシャツが汗でびしょ濡れになり、着替えなければならないことにうんざりしていた。
しかし、練習中に着用していたコンプレッションショーツは乾いた状態を保っていることに気づき、この経験から、吸汗速乾性のある合成繊維を使ったTシャツの開発を思い立った。
メリーランド大学卒業後、プランクは最初の試作品を開発した。
メリーランド大学時代のチームメイトや、後にNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)へ進んだ友人たちに提供した。
その後すぐにデザインを改良し、水分を素早く逃がす
マイクロファイバー素材
を用いた新しいTシャツを作り上げた。
ナイキ、アディダス、リーボックといった主要な競合ブランドも、追随して吸汗速乾性のあるウェアを発売するようになった。
社名に「Armour(アーマー)」というイギリス英語の綴りを採用したのは、その綴りであればフリーダイヤルのバニティナンバー(覚えやすい番号)がまだ取得可能だったためである。
同ブランドが注目を集めるきっかけとなったのは、『USAトゥデイ』紙の1面に、オークランド・レイダースのクォーターバック
ジェフ・ジョージ
がアンダーアーマーのモックタートルネックシャツを着用している写真が掲載されたことであった。
アンダーアーマーにとって最初の大きな取引は、ジョージア工科大学の用具担当者がプランクにシャツ10枚を注文したことである。
その後、ノースカロライナ州立大学やアリゾナ州立大学など、ディビジョンIのフットボールチームとの契約が続いた。
同年、アンダーアーマーは「ColdGear(コールドギア)」、「TurfGear(ターフギア)」、「AllseasonGear(オールシーズンギア)」、「StreetGear(ストリートギア)」など、いくつかの新しいアパレルラインを立ち上げた。
1996年末までに、アンダーアーマーは「HeatGear(ヒートギア)」シャツを500枚販売し、1万7000ドルの売上を記録した。
1997年には10万ドル相当の注文を抱えることになり、シャツを製造するための工場をオハイオ州に見つけた。
1999年後半から2000年初頭にかけて、
ワーナー・ブラザース
がオリバー・ストーン監督の『エニイ・ギブン・サンデー』と『リプレイスメント』という2本の長編映画でアンダーアーマー製品を採用したことで、同社は大きな飛躍を遂げた。
『エニイ・ギブン・サンデー』の公開に合わせて『ESPNザ・マガジン』に広告を出稿したところ、75万ドル近い売上につながった。
2000年、アンダーアーマーは新しいフットボールリーグである
XFL
の公式サプライヤーとなった。
2003年には、プライベート・エクイティ・ファームの
ローズウッド・キャピタル
が同社に1,200万ドルを投資した。
同年、同社は「Protect this house(このホームを守れ)」というスローガンを掲げた初のテレビCMを放送した。
2005年11月にはNASDAQに上場し、1億5,300万ドルの資金を調達した。
2007年後半、メリーランド州アナポリスにあるショッピングモール「ウェストフィールド・アナポリス」に、フルラインナップを取り揃えた初の正規直営店をオープンした。
その後、カナダや中国、そして米国内の39の州において、数多くの専門店やファクトリーアウトレットを展開している。
その中には、2013年にボルチモアでオープンした初の「ブランドハウス(旗艦店)」や、バージニア州タイソンズにオープンした2店舗目のブランドハウスも含まれる。
2009年、同社は
カル・リプケン・ジュニア氏
が率いる「リプケン・ベースボール」と提携した。
この提携には、マイナーリーグの「アバディーン・アイアンバーズ」や、「カル・リプケン・ワールドシリーズ」に参加するユースチームへのユニフォーム提供などが含まれている。
同社はリアリティ番組『ダック・ダイナスティ』の主要スポンサーであると報じられ、番組の「家長」である
フィル・ロバートソン氏
を支持する姿勢を示したことで注目を集めた。
アンダーアーマーは、2014年冬季オリンピックに出場したスピードスケート選手が着用するスーツを提供した。
米国代表選手は、新型の「マッハ39(Mach 39)」スピードスーツを着用してレースに臨みましたが敗北を喫した。
旧型のモデルに戻した後も同様に敗北が続いた。
ただ、成績不振の原因となるような設計上の欠陥はスーツには見当たらなかったものの、このスーツに関する報道を受けてアンダーアーマーの株価は2.38%下落した。
同社は、ケビン・デュラント選手とのエンドースメント契約(広告出演契約)を巡り、ナイキと激しい獲得競争を繰り広げた。
10年間で2億5,000万ドル(報道による)という条件を提示した。
しかし、最終的にはナイキが3億ドルを提示する契約条件をまとめ、デュラント選手との再契約に至った。
2014年1月21日、ノートルダム大学とアンダーアーマーの間で、同大学へのユニフォームおよびスポーツ用品の提供に関する契約が締結されたことが発表された。
この10年契約は大学スポーツ史上最大規模のものであり、2014年7月1日に発効した。
2014年時点で、アンダーアーマーの営業利益率は30%を超え、2013年の水準からさらに成長を加速させていた。
同年の同社株価は62.5%急騰した。
2013年11月にデジタルアプリ開発企業の
MapMyFitness
を1億5,000万ドルで買収した。
その後、アンダーアーマーは2015年2月、カロリー・栄養管理アプリ開発企業の
MyFitnessPal
を4億7,500万ドルで買収した。
また、フィットネスアプリ開発企業の
Endomondo
を8,500万ドルで買収したと発表した。
2016年1月6日、アンダーアーマーは
IBM
との戦略的提携を発表した。
これは、IBM Watsonのコグニティブ・コンピューティング技術を活用し、同社のIoTキットや「UA Record」アプリから有意義なデータを提供することを目的としたものである。
2016年7月、アンダーアーマーはニューヨークの五番街(フィフス・アベニュー)にある、かつて
FAOシュワルツ(FAO Schwarz)
が入居していた53,000平方フィート(約4,900平方メートル)のスペースを賃借した。
FAOシュワルツは当時、2,000万ドルの賃料を支払っていた。
当初2019年に予定されていた同店舗のオープンは、2021年に延期された。
その後、2021年3月になって、アンダーアーマーは全体の約半分のスペースを転貸(サブリース)する計画であることを発表した。
2016年12月5日、アンダーアーマーは
メジャーリーグベースボール(MLB)
と10年間の契約を締結した。
2020年からMLBの公式オンフィールド・ユニフォーム・サプライヤーとなることが決定した。
アンダーアーマーは、2004年からMLBのユニフォームを供給してきたマジェスティック社に代わる予定であった。
しかし、2018年5月、同社が約5000万ドルのコスト削減を図るため、MLBとの契約から撤退する方針であることが報じられた。
その結果、ナイキがリーグの公式ユニフォーム・サプライヤーとなることになった。
MLBとナイキの契約は、2019年1月25日に正式に締結された。
2019年10月、ケビン・プランク氏は2020年までに退任することを発表した。
後任のCEOにはCOO(最高執行責任者)の
パトリック・フリスク氏
が2020年1月に就任することとなった。
2020年7月、同社はCEOの
ケビン・プランク氏
デビッド・バーグマン氏
に対し、米国証券取引委員会(SEC)から「ウェルズ・ノーティス(法的措置の可能性を警告する通知)」を受け取った。
この通知は、2015年および2016年度の会計処理、ならびに同期間における売上の「前倒し計上(プル・フォワード)」に関する問題を受けたものであった。
同月、同社は2020年第2四半期の売上高が
7億760万ドル
と前年同期比ー41%減になったことを報告した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響により、同社はそれ以前に実店舗の閉鎖を余儀なくされていた。
売上高は減少したものの、第2四半期の売上高を5億4100万ドルと予測していたアナリストの予想を上回る結果となった。
2023年9月11日付で、アンダーアーマーは
ジョン・バルベイトス氏
をチーフ・デザイン・オフィサーに任命した。
バルベイトス氏は2025年11月に退任するまで同職を務めた。
2024年4月1日付で、ケビン・プランク氏がCEOに復帰した。
これにより、1年余りにわたり同職を務めた
ステファニー・リナーツ氏
が退任した。
アンダーアーマーはメリーランド州ボルチモアにグローバル本社を置くほか、アムステルダム(欧州本社)、オースティン、広州、香港、ヒューストン、ジャカルタ、ロンドン、メキシコシティ、ミュンヘン、ニューヨーク、パナマシティ(国際事業本社)、パリ、ピッツバーグ、ポートランド、サンフランシスコ、サンパウロ、サンティアゴ、ソウル、上海(中華圏本社)、トロントにも拠点を展開している。
2018年度の業績については、売上高は
49億7,700万米ドル
と前年度比+9.9%増でしたが、4,600万米ドルの損失を計上した。
2018年11月時点での同社の時価総額は107億米ドルを超えていた。


